2018年度に選ばれた賃貸物件は? (その1)

ヨシダ不動産は従来から3月末決算としており、日本の会計年度に準じた形を採用しています。決算数値以外にも受注分析等も当然行うのですが、今回は昨年度(2018年4月〜2019年3月)に借りられた物件に関してお話しします。

賃貸実績ランキングトップ10は下図の通りです。


※ヨシダ不動産扱い賃貸実績ランキング(2018)バンコク

先ずProperty Type(物件種類)に関して説明します。

物件種類は、コンドミニアム・アパート・サービスアパートに分けています。

分類の概念は、
コンドミニアム=分譲マンション
アパート=個人又は会社が所有している賃貸専用マンション
サービスアパート=ホテルのようなサービスが付いている賃貸専用マンション
となります。

セキュリティ上の問題がある為バンコクで一軒家を借りる日本人はほぼ皆無で、実際ここ数年はゼロ実績となっています。

所有形式、提供サービスの観点から便宜上このように大別しており、タイの不動産会社はどこもこの分別方法を使っています。

トップ10のうち7件をコンドミニアムが占めている事が分かりますが、この状況は他の日系不動産会社とは大きく異なっているものと思います。

賃貸用の部屋を見つけるのに手間がかかる、内装・インテリアが部屋毎に大きく異なる、問題が生じた場合個々のオーナーと連絡を取るのが面倒且つ対応の悪いオーナーが多い等々、コンドミニアム賃貸は手間がかかる、というのがタイの不動産業界では一般的な認識となっている為、どうしても不動産業者はコンドミニアムの賃貸を回避する傾向にあります。

そういった状況の中、バンコクではサービスアパートかアパートしか扱わない、といった日系業者も珍しくありませんし、コンドミニアムは扱うが消極的という業者が大半ではないかと思います。

確かにコンドミニアムの部屋で問題が起き何らかの修繕が必要になった場合は、許可を取る、修繕の手配をしてもらう為にオーナーとの連携は不可欠です。オーナーは富裕層のタイ人が多い為、横柄な態度をとる人や対応の悪い人は決して少なくありません。

又、コンドミニアムは個別に内装・インテリアを施す為、内装・家具・家電は個々違います。中には「これでテナント付けできると思ってんの?」いったお部屋も少なからず存在します。

アパートやサービスアパートはオフィスに連絡すればいいので簡単ですが、分譲マンションであるコンドミニアムは部屋毎にオーナーが異なり、当然部屋毎に連絡先が違います。

こう見るとコンドミニアムの賃貸仲介はいいところが一つも無いように思えますが、これは飽くまで業者側の都合による見方に過ぎません。

片や、アパートは旧来からの地主が所有している土地に建てたものが多く、150平米超の広いユニットが多いのが特徴です。新築のコンドミニアムは、1ベッドルームで30〜50平米、2ベッドルームで50〜70平米、3ベッドルームの設定は無し、というのが一般的になっている為、修学児童のいるご家庭はどうしてもアパート物件を選ばざるを得ません。

そういった状況の中、スクムビット日本人居住区のアパート物件は家族世帯御用達となっており、所有者側も日本人家族世帯のニーズに合わせて部屋の間取りやサービスを提供する傾向にあります。

アパートで駅近物件というのはほぼ皆無、又最近新しく建てられたものもないので、大半は築5〜25年といった物件となります。

簡単にまとめると、アパート物件は広い、古い、駅から遠い、というのが一般的な特徴です。

但し、改装・改修はこまめにやっているので、古さは感じるものの不具合などは少ないですし、所有者が集中管理をしている為、不具合の対応などはコンドミニアムよりも迅速に行われるといった利点もあります。

仲介会社からは敬遠されがちなコンドミニアムですが、賃貸する側から見れば、スクムビット駅近等にそびえるスタイリッシュなコンドミニアムは非常に魅力的に移ります。

日本では憧れのタワマン、しかも豪勢な大理石張りの吹き抜けロビーに大型プールやフィットネスルーム、バンコクのゴージャスな夜景を一望するスカイラウンジ等々の施設を備えており、「こんなマンションに是非一度は住んでみたい。」と思うのが人情かと思います。

実際、地上30階以上に25メートル以上のインフィニティスタイルのプール、たくさんの器具を一流フィットネスクラブ並みに揃えたエクササイズルーム、サウナ、ジャクジー等、日本のマンションでは先ずお目にかかる事のない設備を備えているバンコクのラグジュアリーコンドミニアムは、学生時代や若手サラリーマン時代に2階建てのワンルームマンションに住んでいた日本人には夢のような憧れの存在です。

但し先述の通り最近のコンドミニアムは日本並みにダウンサイジングされた為、賃貸するのは単身、夫婦世帯、未就学児童のいる家族世帯に限定されます。

又、仲介業者としては、手間のかかる存在になる為、積極的に勧められていません。

実は、ヨシダ不動産では事業開始当初からコンドミニムの仲介を積極的に進めてきました。

そして、その結果が上位10件のうち7件をコンドミニアムが占める結果として現れている訳です。

それでは、なぜ弊社では手間がかかるにも関わらずコンドミニム賃貸を推進してきたのでしょうか?

次回はそこら辺のお話をしたいと思います。

時間を空けないように頑張ります。

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