スクムビット36の新築コンドはやはり苦戦

1年程前にスクムビット36に建設中の低層コンドミニアムに関して、完成後のテナント獲得は難しい旨の警告を発しました。その後Vtara(ヴィタラ)、Urbitia(ウラビティア)等が完成し賃貸市場に登場し始めておりますが、やはりテナント獲得には大苦戦を強いられております。

参照過去ログ:将来の賃貸激戦区スクムビット36(その4)

賃貸募集の広告を見ても、その苦境ぶりが見て取れます。


※ヴィタラの賃貸募集広告

通常の1年契約は難しいと踏んだのか、上記の物件では1年契約で月13,500バーツ、1ヶ月の賃貸では20,000バーツの家賃設定で募集しています。

1ヶ月賃貸に関して、説明を加えておきます。

タイでは、コンドミニアムの賃貸契約は最低1ヶ月というのが取り決めとなっています。これはホテル関連の法律、「ホテルライセンスが無い場合の宿泊は30日以上。」というホテル業を保護する為の約款が元になっています。昨今、日割りの民泊滞在に関しては、裁判所で違法の判決が出ている中、コンドミニアムのレンタルは30日以上のみ、というのが業界のコンセンサスとして根付き始めました。
とは言え、バンコク、パタヤ地区のコンドミニアムオーナーの中にはAirBnBを活用している人はまだまだ多く、スーツケースを引き摺って入ってくるツーリストとイタチごっこを続けているコンドミニアムは少なくありません。

最近では、ツーリストポリスに届ける、貸したオーナーにペナルティチャージを課す、といった強硬手段に訴えるケースも増えており、日割り貸しオーナーへの風当たりは更に強くなるものと思われます。

話を元に戻します。

もう一つの参考例としてUrbitia(ウラビティア)の賃貸募集広告を掲載します。


※ウラビティアの賃貸募集広告

こちらはトンロー駅まで300メートルちょっとなので、駅近物件の範疇と考えて良いでしょう。家賃は18,000バーツで、3ヶ月契約からOKとの内容です。

僕的な予想では新築で駅近のこの物件であれば、ヴィタラよりはテナントを獲得する可能性は高いものと思います。

但し、2万バーツに近付くと、トンロー駅直結のノーブルリミックスのスタジオユニットと競合に入ってきますので、テナント獲得のハードルは高くなってしまいます。

ヴィタラは何人かのオーナー様から弊社も賃貸依頼を受けていますが、現段階で実績はゼロ。1.2〜1.8万バーツの予算レンジでは、オンヌットのアイデオモビが圧勝という結果が変わらず継続しています。オンヌット駅周辺では、ムービープラザがオープンしてから日本人の生活利便性が大幅アップ。日本飲食店も駅周辺に増殖中なので、このアイデオモビの牙城を崩すのは容易ではありません。

更に、オンヌット駅から2駅目、トンロー駅からは5駅目となるプナウイティ駅直結の複合開発ウィズドム101では、既に大戸屋、吉野家、かつや、てんや等の日本飲食店が入るショッピングモール、ITハブとなるオフィスブロックTrue Digital Parkが既に開業済み。5月からは超高層2棟のコンドミニアムが賃貸開始。来年には更にもう1棟のタワーがそれに加わります。こちらはオンヌット以上のポテンシャルを持っており、日本人テナントにとってはヴィタラやウラビティアを超える選択肢となってくる可能性が高いと見ています。

参照過去ログ:プナウイティのポテンシャルは別格 WHIZDOM101

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