どんな不具合も見逃しません、“ホームインスペクター”

昨年より、弊社ではユニット引き渡し前の不具合チェックにプロの業者を入れるようになりました。

それまではお客様と弊社の担当営業スタッフが目視で行う方が多かったのですが、実際細かい箇所は見つけ切れないケースも少なくありませんでした。

新築ユニットに瑕疵の保証期間もある為、事後対応は必要に応じて行なってきました。発生毎に一つ一つ対応するといった効率の悪さもこの方針転換の背景にはありますが、これはむしろ2次的な理由となります。

それ以上に重要なのは、引き渡し前に不具合のチェックを徹底し、発見した不具合の修復をディベロッパー責任できっちり履行させ、より完全な状態で物件引渡しを受ける事に他なりません。

外部業者なのでコストはかかるものの、インスペクションの細かさには目を見張るものがあり、先日行なった2ベッドルームユニットでは何と大小300箇所以上の不具合がレポートで上がってきました。

不具合箇所を撮影した写真付きのレポートは177ページに及び、不具合の説明がタイ語・英語で書かれています。

インスペクションチームの確認時に僕自身も立ち会ったのですが、5人のチームとマネージャーの計6人でやって来て、持参した多種多様なツールを慣れた手つきで扱いながら、効率よく不具合の確認を開始。

あれよあれよと言う間に、部屋のあちこちにポストイットが貼り付けられて行きます。


※不具合チェックの様子

内装の細かい傷や塗りはげ・ムラ、水回りの排水具合や水漏れ、電気機器関連・エアコンの冷え具合等、事細かに確認を進めます。
全作業行程は5、6時間に及びました。

インスペクターのコストに関しては、部屋のサイズにもよりますが、5〜10,000バーツ(1.8〜3.5万円)ぐらいが相場になります。出来上がったレポートの一部は、ディベロッパーへ、もう一部は依頼主に提出されます。

ディベロッパーはこれを受けて不具合の修繕に入ります。膨大な数の修繕箇所が要求されますので、こういったプロ業者はディベロッパーにとっては頭の痛い天敵的存在である事は言うまでもないでしょうが、逆に買い手にとっては少額出費で高額商品である不動産のクオリティを引き渡し前に保守する手段としては力強い存在になります。

不具合チェックからレポート作成までは2週間程要しますので、引き渡しステップを性急に進める事なく、時間の余裕をみて実行するのが賢明です。

ディベロッパーの中には、引き渡し時に、「〇〇日までに引き渡し作業を終了させれば、共益費や修繕積立金、登記移転料が無料等」のプロモーションを実施する会社は少なくありません。ですので、引き渡し前に「〇〇日から視察可能です。」との連絡が届いたら、すぐにプロの業者に不具合確認をさせ、滞りなく登記移転すれば、2者を両立させる事が可能です。不具合の修繕は引き渡し終了後も継続して行われますが、日本ほどの信用度がないタイディベロッパーの場合は、引き渡し決済前に修繕終了を確認するに越した事はありません。

タイで不動産の購入を考えている皆様にとって、現地のホームインスペクターは非常に価値ある存在だと思います。引き渡しを受ける際には、是非ともご検討下さいませ。


※玄関入口ドア回りだけでもこんなにたくさん。


※キッチンシンク下も徹底的に。パイプの水漏発見!


※見え難いカーテンレール付近の天井も見逃しません。


※バスルームミラーの端角にも傷発見!(反射する為見つけるのは難しいです。)


※電気関連、エアコンの冷え具合もしっかりチェック。

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