プラカノン以東の賃貸投資の重要点 ラグジュアリー物件は苦戦

スクムビット地区、プラカノン以東エリアの賃貸投資の話を更に継続します。

4点目として、プラカノン以東エリアでは、ラグジュアリー物件の賃貸は苦戦を強いられる、という点です。

プラカノン、オンヌット地区でも、豪華物件になると平米単価20万バーツに迫ります。

前回まで何度も説明した通り、このエリアの借り手は予算が少ない駐在員層、現地採用社員層なので、家賃が2万バーツを超えると需要が一気に減少します。

前回のアイデオ・モビ・オンヌットにおいても、1ベッドルーム32平米で家賃は19,000バーツで、利回り4.5%と低迷しています。本来なら2〜2.1万バーツの家賃を取れそうなユニットですが、この2万バーツの壁を越えるのが実に困難なのです。

これには明確な理由があります。

トンロー駅に直結するノーブル・リミックスは、築年数と共に陰りは出ているものの、現在も根強い賃貸人気物件となっています。この頃のノーブルグループは、部屋のレイアウトはお世辞にも良くできているとは決して言えず、他のディベロッパーに比べてビルディングデザインも垢抜けないプロジェクトが多かったのですが、このノーブル・リミックスもその一つに数えられます。


※ノーブル・リミックス

因みに最近完成した、又建築中のプロジェクトは、素晴らしい進化を遂げており過去のマイナスな面影は微塵もありませんので、誤解なきように!

さて、ノーブル・リミックスですが、間取りが悪い、かっこ悪い、というマイナスはあるものの、トンロー駅とは歩道橋で直結しており、雨が降っても濡れる事なくお部屋までアクセスできます。又、大型プールやフィトネスルーム等は充実しており、ゴージャス感が欠けるものの、実用面においては最近の物件とさほど遜色ありません。
ノーブル・リミックスには43平米前後のスタジオ(1ルーム)があるのですが、テナント獲得競争が激化する中、従来は3万バーツ以上していた家賃でしたが、2年程前から2万バーツで貸し出すオーナーを見るようになりました。

トンローは日本人駐在員層が最も多く住むエリアで、1ベッドルームの家賃は3万バーツ以上が相場です。ノーブル・リミックスの43平米で2万バーツの価格は、大きなプライスキャップとなって、プラカノン・オンヌットエリアの家賃相場を圧迫します。

ノーブル・リミックスを分かりやすい例として挙げましたが、賃貸需要過多でテナント獲得競争が激化する中、アソーク〜エカマイエリアでかつての賃貸人気物件が値下げをするとプラカノン以東の賃貸物件の優先順位が下がる、という現象が顕著になってきています。

日本人居住区ど真ん中のアソーク〜エカマイエリアが風邪をひくとプラカノン以東エリアは肺炎になる、といった状況でしょうか?

更に付け足しておきたい点があります。

プラカノン駅周辺では、

ザ・ルーム・スクムビット69
リズム・スクムビット44/1
ザ・ライン・スクムビット71
スカイウオーク・コンドミニアム
等の平米単価15〜19万バーツ(52.5〜66.5万円)のハイエンドでもよりグレードの高い物件群(アッパーハイエンド

ワイン・バイ・サンシリ
ライフ・スクムビット
ライフ・スクムビット48
ブルーム・スクムビット
等の平米単価が10〜14万バーツ(35〜49万円)のハイエンドでもよりグレードの低い物件群(ローワーハイエンド

がありますが、後者の方がテナントを付けやすく、前者は苦戦を強いられています。

この理由は既に何度も説明していますので、このエリアを選ぶ必然性に起因している事は既にお分かりのところかと思います。


※ザ・ルーム・スクムビット69

参考までに現地不動産大手CBREが出しいるコンドミニアムグレード表を掲載しておきます。ハイエンドが120〜199,999バーツというのは10把一絡げにし過ぎでは無いのか?という印象を強く持ちます。


※コンドミニアムグレード表(バンコク) 出典:CBRE

現時点そして今後しばらくの間の賃貸市場において、プラカノン以東では平米単価15万バーツ以上の物件を選ぶとテナント獲得は難しい点を認識して下さい。

オンヌットでも最近では平米単価20万バーツに近いプロジェクトの人気が高いですが、引き渡し後はテナント付けに間違いなく苦労するはずです。

オンヌットエリアでは、通勤に便利であれば日本人居住区中心でなくても構わない、といった駐在員層も少なからずいますが、駅前のリズム・スクムビットの一択となっています。

今回の内容に関しては、
プラカノンそこから東は高いダメ
と暗唱して下さい。

おすすめ