THE STRAND THONGLOR ザ・ストランド・トンロー

今回はBTSトンロー駅から徒歩1分、トンロー通り沿いの新プロジェクト、ザ・ストランド・トンローをご紹介します。


※ストランド・トンロー外観


※プロジェクト概要

スクムビット通りからトンロー通りに入ってすぐ右手の立地です。スクムビット地区のソイには、アソーク(ソイ21)、ソイ24、ソイ39、トンロー(ソイ55)、エカマイ(ソイ63)といった基幹道路となる通りがありますが、それらの通り沿いの土地はスクムビット通りに準じて地価が高く、道幅が広い事から高層タワーマンションの建築が可能になっています。

トンロー通りを中心にソイ49からソイ59辺りまでをトンロー地区と一般的には呼んでいますが、この地区の駅周辺はまだローカル色が色濃く残っており、スクムビット通りからトンロー通りに入って1キロ程の地点にショッピングモール、レストラン、カフェが立ち並び、駅周辺よりもずっと垢抜けた街並みが展開しています。


※トンローエリア地図

BTS(高架鉄道)が開通した1999年12月よりもずっと以前から富裕層の豪邸が並ぶ住宅地といった背景を持つ地区なので、現在に至ってもトンロー通り中心部の方が繁華街として栄えています。この点においては、駅に隣接する形で大型商業モールが設けられているアソーク、プロンポン、エカマイ等とは大きく事情が違っています。

トンロー地区におけるここ最近のコンドミニアム開発を見ても繁華街と駅前の立地に2分されており、同グレードの物件価格においては大きな開きはありません。

どちらを選択するのかは悩ましいところかと思います。

繁華街エリアでは、各種商業モール、多数の日本飲食店、日本人御用達のサミティベート病院、学習塾、習い事教室等が揃い、突出した生活利便性が得られる事から、日本人駐在員の家族層はこちらのエリアを選択する傾向にあります。駐在員層の場合、勤め先の会社が運転手付きの専用車を支給するのが一般的で、通勤には電車等は不要という特殊事情も関係しているかと思います。

一方、単身者、お子様のいない夫婦世帯は機動力のある駅前を選ぶ傾向にあります。

トンロー地区におけるユニークな2極化現象が今後どのような展開を見るかは興味深いところです。駅前周辺は更なるコンドミニアム開発が見込まれ、間も無く開業のオフィスビル、来年始め開業予定の日航ホテル等を鑑みると、今後の発展の伸びしろは駅前地区の方にありそうですが、生活利便性が盤石な繁華街エリアの人気はそう簡単に色褪せる事も無いでしょう。

さてストランドトンローに話を戻します。

ディベロッパーはMQDC(Magnolia Quality Development Corporation Limited)で、先日オープンした川沿いの大型商業モールアイコンサイアムに併設して建設中のMagnolias Waterfront Residences、ラチャダムリ駅前のMagnolias Ratchadamri Boulevard等、近年話題性の高いプロジェクトを手がけている勢いのある会社です。親会社はタイトップクラスの財閥、CPグループ。前出のアイコンサイアムもCPグループにより手がけられています。

このプロジェクトの特徴としては、とにかく価格が高い事が先ず挙げられます。15階の1ベッドルームで平米単価が38万バーツを超えており、55平米の1ベッドルームは20ミリオンバーツを超える価格となっています。

先日ショールームを見てきたのですが、天井高3メートル、ビルトイン冷蔵庫やガグナ製のIHヒーターを標準仕様にしたキッチン、スマートホームシステム等、スーパーラグジュアリー物件としての押さえどころは有しているものの、他にこれといった目新しい特徴は無く、「それでこの値段はないだろう。」というのが率直な印象です。


※1ベッドルーム(55平米)リビング


※1ベッドルーム(55平米)ベッドルーム

加えて、ショールームのインテリアもシンプルそのもので、やる気の無さがひしひしと伝わってきます。確かにコテコテに盛られたショールームを見てその高級感に惑わされても、引き渡し時には付いてこないものばかりなので、ミスジャッジをしなくて済むメリットが購入者サイドにはあるのですが、ディベロッパーはそんな事を意図する筈もないので、私見的には失敗作なのでは?と思っています。

タイ人富裕層には売れ行きは悪くない、という事らしいのですが、不思議です。大財閥CPグループの関連する人達ばかりが買っているのでは?とつい勘ぐってしまいます。

価格が価格なので、キャピタルゲインも賃貸利回りも難しい、投資目的には向かないプロジェクトかと考察しております。

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