プリセールラッシュに入る2018年後半のバンコクコンド市場

2018年前半は在庫調整で発売を見合わせていたディベロッパーも後半に入り続々と新プロジェクト発表を開始しています。

下図は現地主要英字新聞バンコクポストに掲載されたグラフで、データ元は不動産大手Colliers。バンコクにおける四半期毎の新規コンドミニアムの発売ユニット数を記したグラフです。


※四半期毎の新規コンドミニアム発売ユニット数(2015年第1四半期〜2018年第3四半期)

タイの仏暦表記となっているので分かり難いですが、仏暦2561年=西暦2018年となります。従って3Q2561は2018年第3四半期となります。

実はグラフには明らかな間違いがあります。4Q2559部分のバーグラフが16,182戸のデータを正しく示していません。加えて、グラフのタイトルは2014 to となっていますが、実際は2015年からです。タイでは全国区の大手新聞社でもこういった誤表示をする事が多く、日本であればお詫びと共に訂正が告知されたりするのですが、タイではマイペンライという事なのか、この程度の事で物議を醸し出すことはありません。

とは言え、我が身を振り返れば、当ブログでも誤字脱字が多く、人の事を言えるような立場では決してない事を心得ている次第なのですが・・・。

本題に戻します。2018年第2四半期は発売ユニット数8511と、前期比約61%、対前年同期比63%と大きく減少しましたがが、第三四半期は22,579と、前期比261%、前年同期比120%と大幅な伸びを見せています。

この22,597戸という発売数は、プロジェクト数としては47件で構成され、四半期毎の数値としては過去最高との事です。

2018年第2四半期、つまり今年の4〜6月頃は市場も静かな印象がありました。特にCBD物件、特にスクムビット地区の賃貸適格物件を中心に扱うヨシダ不動産では、目新しいものは皆無に近い状況でした。実際データ元のColliersも第二四半期に発売されたほとんどのコンドミニアムはバンコク中心部ではなく、郊外(県外含む)でのプロジェクトだったとレポートしています。

第3四半期は3086戸、発売数全体の13.7%がバンコク中心部でのプロジェクトであるとColliersが言っている通り、9月ぐらいからバンコク中心部での新規売り出しが目立ち始めました。

そしてバンコクCBDにおいてのみ言えば、プロジェクト発売は10月に入り一気に加速している実感があります。

前回、前々回のブログでは、バンコクの不動作市場の潮目の変化の中、プリセール物件への盲目的な追従のリスク、完成登記前物件購入の有効性等を説明しましたが、目の当たりにしている現実はそれに反する現象です。

新規プロジェクトの幾つかは立地、仕様も素晴らしく魅力的なのですが、価格を見るとどれも強気な設定で、現在進行中である売れ行きの鈍化傾向等は一顧だにする様子もないように僕の目には映ります。

市場の潮目には耐えられるのか?
それとも潮目の変化等はもともと無いのか?
新しいプロジェクトにはこれまでと違う何かがあるのか?

そのような疑問が自ずと湧き上がってきます。

発表された新プロジェクトを検証し、強く持つ違和感を解き明かしていければと思っています。

実際のところ、現時点では僕自身その行方に関して全く予測が付いていません。

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