賃貸は先ず物件内競争から (その1)

9月に入りアシュトン・アソークの賃貸物件が出始め、弊社でも1件、2件と徐々に賃貸テナントが付き始めました。

※アシュトン・アソーク

賃貸契約内容を見ると
1)18階35平米 家賃37,000バーツ(平米当たり1,057バーツ/月)
2)25階35平米 家賃42,500バーツ(平米当たり1,214バーツ/月)
となっています。

階数がさほど変わらないのに家賃に大きな差がついているのは、眺望、内装、インテリア、家具、家電そして予算の違いなどによるものです。

テナント様はやはり日系企業の駐在員で単身、バンコク都内のビジネス街が勤務先で、バンコクの駐在員で多数派となる製造業で工場勤務といった層の方ではありませんでした。

この賃貸を担当した日本人営業スタッフに聞いたところ、MRTとBTS駅含めてショッピング、食事等々あらゆるものに近い圧倒的な利便性、新築、レジデンス外観、豪華なファシリティ、眺望の良さ、予算に合う等々が決め手となり、この物件にご案内したところほぼ即決の状況だったとの事でした。

弊社で取り扱う賃貸のお客様は、スクムビット通り北側の地域としては、アソーク通り(ソイ21)からエカマイ通り(ソイ63)の間に集中しており、アソーク通りに面していても西側に入ると少なくなる傾向にありました。アシュトン・アソークの立地はまさに西側で若干懸念はあったものの杞憂に帰したようです。

※アソーク〜エカマイ日本人居住区地図

又、駐在員賃貸の場合は、単身でも40平米以上と広めの1ベッドルームを選択する傾向にありましたので、30〜37平米のサイズは大丈夫かな?とこちらも気にかかっておりましたが、立地や豪華さ等の他の要素が40平米の壁に打ち勝ったように見受けます。

勿論、部屋の広さを優先する人もいれば、より日本人居住区中心へのアクセスを重視する人もおり、選択基準はお客様によって違ってきます。又、新築の時には大人気だった物件が、数年経つとライバル物件の登場等で新築時の人気ぶりが嘘のように目に見えて下がって行ったりすることもあります。

盛者必衰のことわり、と言ってしまうと妙な厭世観が漂いますが、多少なりともそれに近いものが賃貸不動産にもあることはご理解頂けるところなのではないでしょうか?

延べ数万件の駐在員賃貸を扱ってきた弊社のようなプロでも、その物件に不確定要素が含まれていたりすると、自信満々とは決してなれずなかなか安心しきれないところも実際あるのですが、上々な賃貸の滑り出しを見て、販売物件としてお勧めしてきた弊社としては一先ず安心と言ったところです。

実は上記で紹介した賃貸実績は、弊社で購入したお客様のユニットのものではありません。

弊社で購入した方には全て内装・家具パッケージをご購入頂いております。内装工事が終了するまでには、
登記→お客様と打ち合わせ→室内測量(約1週間)→お客様と最終確認→管理組合に工事計画書を提出し認可を受ける(約2週間)→工事(2ヶ月)→引き渡し
といったプロセスを経なければなりません。

購入したお客様も海外にいる関係上、上記の通り進まなかったり、打ち合わせのプロセスは弊社にお任せ頂く中で省略したり等々の個別に対応は変わってきます。登記から賃貸開始、又は購入者自らの居住開始までには2.5〜3ヶ月程どうしてもかかるのです。

弊社のお客様の場合、登記は7月中に行われたのが大半ですので、賃貸・居住開始は10月半ば以降になる見通しです。

という事で、現在賃貸に出ているユニットは、内装は簡易なレベルに留めた、内装工事は行わず市販の家具だけで揃えた、といったものになります。

「それでもテナントが付くのだから、それでいいんじゃないの?」と考える人も多いと思いますが、僕はそうは思いません。

現時点ではそれでいいのかも知れませんが、1ベッドルームだけで700ユニット以上もあるアシュトン・アソークでは、今後続々と賃貸ユニットが登場してきます。そして内装とインテリア、そして家具、家電といった要素、及び全体の仕上がりが将来的に賃貸競争の勝敗を決定付けるようになります。

引き渡しになった現時点で妥協なく内装、家具付を行っていれば、後々それが物件内賃貸競争の勝因となり、当然ながらポジティブな賃貸利回りとして跳ね返ってくるのです。

一番良くないのは、素人判断で適当にインテリア、家具付けを思い付きベースで小出しに行う事です。結局、スペースの使い方、機能性、色合いなどがチグハグなものになり、せっかくのラグジュアリーコンドミニアムが見るも無残な見た目になってしまいがちです。

そして、そのようなユニットが選ばれるほどバンコクの賃貸競争は甘くありません。

ラグジュアリーコンドミニアムのユニットとして、外観、共益施設等と釣り合う体裁を整える事により賃貸ゲームの勝者になる確率は格段に高まります。

デザインはその道のプロに任せ、信頼できる施工業者に依頼するのが間違いのないやり方です。

弊社ではデザイン・内装施工業社をお客様に紹介し、内装・家具パッケージを購入して頂きました。

※1ベッドルーム用内装・家具パッケージ完成イメージ

あちこちにLEDライトを仕込み、ミラーを多用した日本のマンションと比べるとかなりきらびやかな内装となっていますが、センスの良さ、信頼できる責任者、細かいリクエストへの対応力などが協議を重ねると伝わってきましたので、今回初の起用としました。

現段階では工事は順調に運んでおり、いいものができると確信しております。完成が楽しみです。

弊社の賃貸部責任者からも、「うちで購入したお客様のユニットはいつできるのか?」と催促が来ており、案内すれば決められる(=テナント付ができる)、と自信を持っているようです。

実はこの自信こそが賃貸営業では何よりも大切な要素となります。

次回はそこら辺の実情と弊社の賃貸戦略等のお話をしたいと考えています。

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