割高感が拭えないスクムビットのプリセール物件価格

2週間程前からお馴染みのディベロッパー担当者より連絡があり、スクムビットソイ43の新規プロジェクトEYSE SUKHUMVIT 43(アイス・スクムビット43)のVVIPセールの勧誘を受けておりました。この担当者から過去に幾つかのユニットを購入した実績がある為、VVIP待遇で買えるのは嬉しい限りなのですが何とも触手が動きません。


※7月14日よりプリセールが開始のEYSE Sukhumvit 43

VVIP待遇というのは、一般プリセール前に値引き価格でユニット購入が可能といった魅力的なオファー。好きなユニットを選べ、しかもお値引き価格。

今回の値引き幅は、1ベッドルームで30万バーツ、2ベッドの小さいタイプで40万バーツ、大きな2ベッドとデュプレックスの2ベッドは50万バーツ、となっていますので結構なお得感があります。

ディベロッパーはESSE(エッセ)シリーズを展開中のシンエステートです。新興のディベロッパーですが、シンビールグループの財閥系ですので資金力にモノを言わせ短期間でブランド力の構築に成功しています。現在建築中のエッセ・アソーク、エッセ・シンコンプレックス、エッセ・スクムビット36のプロジェクトはどれもスーパーラグジュアリークラス、話題性の高いプロジェクトとなっています。

でも今回のプロジェクト名はESSE(エッセ)ではなくEYSE(アイス)。何が違うのかというと、今までの3件はどれも高層タワーなのですが、このアイスは7階建2棟の低層物件です。立地するソイ43は道幅10メートル未満なので23メートルの高さ制限を受けているわけです。

エッセ・アソークはアソーク通り沿い、エッセ・シンコンプレックスはアソークとペッブリー通りの角地、エッセ・スクムビット36はスクムビット通りとソイ36の角地ですので、ロケーションにおいてそして地価では大きく見劣りします。

又、エッセシリーズはどれも天井高3メートルとスーパーラグジュアリーの名に恥じない仕様ですが、低層物件のアイスでは先述の高さ制限があるので3メートルを確保するのは不可能ではないかと思います。

BTSプロンポン駅が最寄り駅なのはいいのですが、距離550メートルとなっています。僕の感覚ではもっとあるような気がするのですが・・・。

ではその分安いのか?と言えばそうでもなく、
1ベッドルーム 52.25平米〜 14.2ミリオンバーツ〜 平米27.1万バーツ〜
2ベッドルーム 62.5平米〜 17.28ミリオンバーツ〜 平米27.6万バーツ〜
となっています。

こんなの売れんの?とつい思ってしまいますが、財閥系ディベロッパーはお付き合いが広いのである程度の数はプリセールで捌くでしょう。出入り業者に無理強いしたりするんだろうな?などと思ったりもするのですが。

それではプロンポン地区の他の物件に目を向けて見ましょう。

例えば現在引き渡しが開始されているDIPLOMAT 39(ディプロマット39)。こちらはソイ39に立地するプロンポン駅から200メートル程の好立地タワープロジェクト。クラスはスーパーラグジュアリー。ソイ39はトンロー、アソーク 、ペッブリーを結ぶ主要幹線道路で行き止まりのソイ43と比べてアクセシビリティは段違い。エンポリウム、エムクオーティエなどの大型商業施設も徒歩5分以内。そしてタワー物件と物件概要だけで圧勝です。


※DIPLOMAT39

ディベロッパーはKPNランドと知名度は今ひとつですが、親会社はシンガポールで海上石油採掘などの設備を作る会社で全く畑違いですが、これまでのプロジェクト実績の評価は悪くありませんし、外観はハイソ感満点で前を通るだけで気になって見に行きたくなるような物件です。勿論関係者以外は入れてくれませんので悪しからず。

では、現在のリセール価格は?と言うと
1ベッドルーム 54 平米〜 14.4 ミリオンバーツ〜 平米26.7万バーツ〜
2ベッドルーム 92 平米〜 26.6 ミリオンバーツ〜 平米28.9万バーツ〜
ですので、僕だったら迷わずこちらを買います。

※DIPLOMAT39のリセール広告
因みにこのディプロマット39は未だ完売しておらず、2ベッドの高層階に限り、ディベロッパーから直接プリセール価格で購入できます。

但し、価格改定によりディベロッパープライスよりもリセール物件価格の方が安い、といった価格ねじれ現象がここでも発生しています。

もう一つの比較対象物件は2年前に完成したサンシリのTHE XXXⅨ(ザサーティナイン)。これもディプロマット39の並び直ぐそばで立地としてはほぼ同等。スーパーラグジュアリータワー物件。こちらもまた嫌味のないハイクラス感漂うエレガントなレジデンスです。完成した当初は家賃が高め設定であまりテナントが付かなかったのですが、家賃を日本人家賃手当ゾーンまで下げたところ人気爆発。現在は多くの日本人が住んでいます。


※THE XXXⅨ

現在のリセール価格は、
1ベッドルーム 54.5 平米〜 14.2 ミリオンバーツ〜 平米26万バーツ〜
2ベッドルーム 82 平米〜 22 ミリオンバーツ〜 平米26.8万バーツ〜
となっており、やはりアイスよりはずっとお得感があります。但し、こちらは全て登記済みの物件ですので、登記移転料は5〜8%程かかります。

過去ログ:価格のねじれ現象(その4)根底にあるのは不動産市場の変化 でも説明しましたが、不動産市場の潮目が変わりつつある今、プリセール投資一辺倒から中古物件や登記前新築物件に広く目を向けていく必要があるといった考えの正しさは、このアイス・スクムビット43においても実証されていると思うのです。

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