価格のねじれ現象(その3)今年のSell Before Transferの目玉は昨年と同じプロジェクトという世にも不思議な物語

前々回、前回のブログでは、プリセール物件とリセール物件の価格のひずみ(ねじれ現象)をお話ししました。特にパーク24はフェーズ2となるタワー4、5、6のプリセール価格の兼ね合いで価格改定を行ったフェーズ1のユニット価格が、登記済み物件のリセール価格まで上回る状態となるという大きな歪を生みました。

フェーズ2も今年4月の時点で80%程の完成となっていますので、今年後半は登記前ユニット、Sell Before Transfer物件が大量に市場に流れ込んでくるものと思われます。

 


※パーク24フェーズ2進捗状況(2018年4月24日時点)

と思っていたら、既に某エージェントから大量に売り広告が出ていました。今にも販売合戦勃発の雲行きか?それとも、僕が知らなかっただけで、既に水面下では激しい攻防は始まっていたのか?

 

※パーク24、タワー5リセール物件

どうも今年後半のSell Before Transferの台風の目の一つは確定したようです。価格を見ると20~25万バーツとばらつきがありますが、このリセール価格を見るとフェーズ2を初期にファーストハンドで購入した人達と見受けます。安い値付けは行く末に悲観的で早く売りぬきたい人によるもの、高い値付けは楽観的で時間をかけても高値で売りたい人、と大別されますが、手元資金の有無といった個人的な金銭事情も絡みますから、様々な思惑が背後にはあります。

登記前の売り物件狙いの投資を狙っている人にとっては、タイミング、心理戦を制すれば、いい物件を底値で手に入れる事ができるチャンスとなります。一体いくらでプリセールされたのか、どのユニットがいいのか、どんな付帯条件があるのか?等々の情報を正確に把握することが、底値買い取りの成功の鍵となります。

登記して賃貸に回せば即利回りが発生しますので、手元資金が眠る事はありません。プリセール開始時の購入が最も安く買う方法、という大前提が一度崩れると、一括購入資金がある投資家にとっては、登記前に底値で買う選択肢が収益最大化に繋がります。加えて、ファーストハンドオーナーの資金をテコにするわけですから痛快且つ旨味があり、これまで儲けていた転売屋さんへ一矢を報いるチャンス到来という訳です。

もう一つの目玉物件として、Ashton Asoke(アシュトン・アソーク)が挙げられます。今年3月末にいきなり登記期日を1年も延長して物議を醸し出したプロジェクトですが、裁判沙汰が片付いたのか晴れて登記移転が開始となりました。

こちらは昨年後半から、ユニットの大半を占める1ベッドルームを中心に大量に転売市場に流れ込み、もともと人気物件ですので多くの投資家が飛び付きました。そして登記移転ができない、といった大問題が発覚→登記期限1年延長→約20%がキャンセルされディベロッパーに差し戻し、となりました。問題が発表された3月にはこの裁判沙汰が大きく取り上げられ、問題解決まで長期に及ぶのではないか?という悲観論が市場を支配していましたが、蓋を開けて見ると3ヶ月半で登記開始となり、拍子抜けの顛末となりました。まだ紆余曲折が継続する懸念100%払拭できませんが、弊社でご購入頂いたお客様には登記のご案内を出すに至っています。

こうなると20%差し戻されたユニットが気になります。もともと3年以上前のプリセール開始と共に瞬く間に完売したプロジェクトですから、値付け次第ではありますが、抜群の立地の良さ、スタイリッシュな外観を武器に売り抜けるのは難しくないものと考察します。そうなると、この一連の騒動はアナンダが仕掛けた茶番なのでは?と勘ぐってしまうのは、僕だけでしょうか?

 


※アソーク交差点付近にそびえる黒い躯体、アシュトン・アソーク

何れにせよ、差し戻し物件はアナンダが直販するSell Before Transfer物件として、リセール物件と共に市場に出回る事が予想されます。登記移転日は2019年3月26日までに書面で延長されていますので、転売したくてもできなかった売り手はその猶予を得た事になります。逆に、事態を悲観的に捉えキャンセルした人達にとっては、支払った価格に多少の利息がついての返金程度に補償は留まりましたので、怒り心頭といったところでは無いかと思います。

上記のようなイレギュラーな展開で、アシュトン・アソークも今年のSell Before Transfer物件の目玉として返り咲きを果たしました。

価格が既に高騰した2ベッドルームは対象になりませんが、1ベッドルームを適正価格で購入すれば、アシュトン・アソークはキャピタルゲインを容易に狙える魅力的なプロジェクトです。問題が解決し登記開始の運びとなった今、改めてイチオシ物件として推奨致します。

パーク24、そしてアシュトン・アソーク、その経過こそ全く違いますが、今年のSell Before transfer物件として、引き続きお勧めプロジェクトと相成った訳です。

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