巨大な姿を現し始めたバンコクリバーサイド開発 

経済発展を背景に、BTS、MRTといった公共交通網の拡充と共に新興住宅地や新規商業地区などがあちこちで登場し急ピッチで開発が進むバンコクの中でも、けた違いのスケールで変化を遂げているエリアがあります。

 

それは外国人が多く居住するスクムビットでも、巨大デパートがひしめくサイアム地区でもありません。

 

それは、ずばりバンコクリバーサイド

 

そして、同じ川沿いでも、シーロム通りやチャルンクルン通りから橋を越えて反対側のトンブリ地区でそれが起きているのです。

 

従来的には観光客を除き、外国人にはあまり馴染みの無いエリアなのですが、今回はそこら辺をご紹介したいと思います。

 

何がどのように起きているのか、先ずはそのアウトラインから。

 

一体そのリバーサイドはどこら辺なのか、バンコクをある程度知らないとわかり難いと思いますが、下の地図を参照下さい。

 

※バンコクエリア地図

 

シーロム通りと並行するサトン通りを西へ進みタクシン橋に繋がりますが、そこを渡った北側の地区となります。最寄りの駅は、BTSクルントンブリ駅。

 

従来からこのエリアにはペニンシュラ、ヒルトンといった高級ホテルが開業しており、観光客にはお馴染みのエリアでした。その反対側にはあのオリエンタルホテルやシェラトン、シャグリラといった巨大ホテルが並んでいます。

 

※チャオプラヤ川沿いの高級ホテル

 

話は前後しますが、この川はタイ語ではメーナムチャオプラヤーとの呼称がついています。僕が学んだ日本の教科書では、メナム川と表記されていました。実はタイ語でメーはお母さん、ナムは水を意味します。母なる川、といった感じでしょうか?タイ人は皆チャオプラヤと呼びます。

 

つまりバンコクリバーサイドとはチャオプラヤ川沿いを意味しているのです。

 

大体の位置関係がわかったところで、冒頭で話したけた違いの開発についてその中身を見てみましょう。

 

巨大商業モール“アイコンサイアム”

 

BTSクルントンブリ駅から車で4-5分のところに開発されている巨大ショッピングモール“アイコンサイアム”の大きさにはとにかく目を見張ります。

 

※急ピッチで開発が進むアイコンサイアム

 

9階建てから成る商業モールの延床面積は何と52万平米。ちょっとぴんと来ないかもしれませんが、日本人地区プロンポン駅に隣接するエンポリウムは20万平米、その反対側のエムクオーティエは25万平米ですので、その2つを足しても未だ追い付かない広さです。因みにサイアムパラゴンは38万平米ですので、遥かに規模で凌いでいるわけです。えっ、バンコクのショッピングセンターはわからない?

 

大きな話題を呼んだ銀座シックスは15万平米弱ですので、その3.5倍ほどの大きさとなります。どうでしょうか?

 

世界の有名ブランドは当然の如く集結を決めており、日本勢としては高島屋が開業予定となっています。シンガポールのオーチャードロードど真ん中で成功を収めてきた高島屋がアジアで培ったノウハウを引っ提げて堂々のタイ初登場となります。楽しみですね?

 

あと、ここには40階と80階の超高級レジデンスの建設が進んでおり、タイ富裕層の垂涎の的となっています。

 

この大開発は350メートルに渡りチャオプラヤリバーサイドを占有しており、完成後は光と噴水のショー等を夜ごと行う計画だとの事。すごいですね。完成後はバンコクの新観光名所となることは間違いありません。中国人ツーリストが爆買いに押し寄せる風景が今から目に浮かびます。

 

※アイコンサイアム完成イメージ

 

当然、ボート波止場を備えるので、リバーボートでのアクセスも可能。橋を渡って車で来るより何倍も早いかもしれませんね。

 

バンコク展望タワー

 

けた違いの開発は商業施設にとどまりません。

 

このアイコンサイアムの横には、全長459メートルのバンコク展望タワーが登場します。459メートル何てたいしたことないじゃない?と思う人もいるでしょう。確かに東京スカイツリーの634メートルと比べると数値上は色あせて見えますが、東京スカイツリーの第2展望台は地上450メートル地点ですので、展望台の高さとしては十分匹敵します。

 

Bangkok Observation Tower (PRNewsfoto/The Chao Phraya River Tourism A)

※バンコク展望タワー完成イメージ

 

これが完成すれば、リッツカールトンレジデンスのあるマハナコーンを抜き、ラマ9世地区に建築予定のスーパータワーができるまでは、タイで最も高い建築物の地位を持つことになります。

 

モノレール“ゴールドライン”

 

バンコクの話題をさらったアイコンサイアムですが、実はアクセスが便利じゃない、といった弱点がありました。買い物に行くにも交通手段は車か船だけ、最寄駅となるBTSクルントンブリ駅からはとても歩ける距離ではありません。

 

ラッシュアワーの渋滞の厳しさはこの地区も大差ありません。これは悩ましいぞ、等と傍で見ていたら、モノレール“ゴールドライン”構想が持ち上がり、昨年9月に閣議決定。着工の運びとなりました。タイらしくないスピード決定となりました。

 

※モノレール“ゴールドライン”路線図

 

実はこのアイコンサイアムの開発は、タイでは1,2を争う財閥のCPグループが主体となって行っており、CPグループはその政治力においては無類の強さを発揮します。政治のみならず影響力は王室にも及ぶとも言われています。

 

という事で、モノレールの敷設など朝飯前と言わんばかりに、電光石火の早業で実現に持ち込んだわけです。

 

又、アイコンサイアムの次の駅の地区では、シンハグループがスーパーラグジュアリーレジデンスとなる“バンヤンツリーレジデンス”の建設を進めており、これまた大財閥の一角を成すシンハグループがモノレール計画を後押しした事は言うまでもありません。

 

新興国の財閥パワーには目を見張るものがあります。

 

このゴールドラインはBTSクルントンブリ駅を基点とした全長2.8キロとなっており、バンヤンツリーレジデンスのある駅までは何と2018年12月には完成予定というではありませんか?この腕力には舌を巻いてしまいます。

 

因みにアイコンサイアムの完成は2018年第3四半期、バンヤンツリーレジデンスの完成は2018年12月となっています。いやー露骨ですねー、舞台裏が透けて見えるほどわかりやすいですね?

 

この地区で進んでいる開発のけた違いなスケールを理解して頂けたでしょうか?

 

次回は先述したスーパーラグジュアリーレジデンス“バンヤンツリーレジデンス”をご紹介したいと思います。

 

うちは不動産屋ですから、都市開発で話を終わらせるような事は決して致しません。勿論その理由はお分かりですよね?

 

このバンヤンツリーレジデンス、その豪華感は桁外れ、リッツカールトンレジデンス以来の興奮を感じています。お楽しみに!

 

※バンヤンツリーレジデンス完成イメージ

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