プラカノン駅以降のラグジュアリーコンドを購入する前に考えるべきこと

プラカノン駅以降のラグジュアリーコンドのプリセール価格は、平米単価15万バーツ以上が当たり前になってきています。

 

完成済み、プリセール中等が混在するものの価格例としては以下の通りとなります。

 

Line Sukhumvit 71(サンシリ、プラカノン駅徒歩5分)16〜20万バーツ

KnightsBridge Prime Onnut(オリジン、オンヌット駅徒歩7分)12〜19万バーツ

IDEO Sukhumvit 93(アナンダ、バンチャク駅前)13〜16万バーツ

Line Sukhumvit 101(サンシリ、プナウイティ駅前) 15〜19万バーツ

 

※BTSスクムビット線

 

5、6年前までは、日本人居住区はエカマイまでというのが一般的なイメージでしたが、プラカノン、オンヌット駅を中心にタワーコンドが立ち並ぶ様になると予算の低い単身世帯の駐在員、又役職が高く収入に余裕のある現地採用社員層が住み始める様になりました。今では多くの日本人、外国人がこのエリアでは定着しており、それを追う様にローカル色の濃かった街並みに近代的な商業施設が出来始めました。プラカノン駅に建築中のサマーヒルもその一つです。

 

※サマーヒル完成予定イメージ

 

日本飲食店も少なからず出揃ってくると、プロンポンやトンローよりも高速道路へのアクセスがいい、フジスーパーが無くてもローカルスーパーで十分、日本人だらけで無いほうがいい、といった大手企業の駐在員もマイナー派ながら住み始める様になり、オンヌット駅前の代表的ラグジュアリーコンドRhythm Sukhumvitなどではそういった層の人達を少なからず目にします。

 

従来的には平米単価10万バーツ前後のメインクラスコンドが一般的だったエカマイ以東のエリアでしたが、冒頭の一例で挙げた様なプロジェクトが続々と登場し始めました。

 

KnightsBridgePrime Onnutは狭いながらも天井高3メートル、Line Sukhumvit 101は多数のデュプレックスユニットを揃え、全ユニット天井高3.2メートル等、独自性の高いプロジェクト設定も出始めています。

 

※Line Sukhumvit101のデュプレックスユニット

 

共通しているのはどのプロジェクトも間取りはコンパクト、狭いものだと22.5平米の1ベッドなどというものもあります。これは小さくしないと最低価格を安く抑えられないのがその理由であり、タイ人の実需層が手の届く範囲で価格設定をするのが目的です。

 

さすがに完売とまではすぐ行かない様ですが、プロジェクトによりばらつきはあるもののそこそこ売れている様子です。

 

中には日系大手ディベロッパーが絡む共同プロジェクトなどもあり、タイ不動産投資に興味を持ち、チャンスがあれば買おうかなと思っていた日本人が購入に踏み切ったりしている様子ですが、この地域でラグジュアリークラスのコンドミニアムを購入する前に留意しておきたい事実があります。

 

先述した通りエカマイ以東に住む日本人は増えていますが、その賃貸予算は日本人居住区中心に住む駐在員層の半分にも届きません。Rhythm Sukhumvitに住む様な日本人は飽くまで少数派に留まります。弊社の賃貸実績を見ても、プラカノン地区では30平米の1ベッドが2万バーツ以下で借りられるWyne By Sansiri、オンヌット地区では21-22平米のスタジオ(1ルーム)が1.2-1.3万バーツで借りられるIDEO Mobi Sukhumvitに需要が集中しています。

 

平米単価が15万バーツとなると、5%以上の利回りを確保する為には平米賃貸単価650バーツぐらいの家賃設定が必要になります。従って、22平米の1ベッドは14,300バーツ、30平米の1ベッドは19,500バーツが家賃相場となってきます。

 

現地採用の日本人の場合は会社から家賃補助の支給がないのが一般的ですので、家賃はできるだけ抑える必要があり、そのプライスコンシャス度は家賃補助を支給される駐在員とは比較になりません。自ずと500〜1,000バーツの価格差は切実な問題となるわけです。ちょっと天井が高くなった、プールがいいなどといった瑣末な動機でより多くの金額を出す発想は無いのです。

 

会社からの支給額が低い駐在員層でも3万バーツを下る事はあまりありませんので、家賃2〜3万バーツのコンド物件は賃貸がつきにくい中途半端な価格帯となるのですが、仮に2万バーツの家賃が払えるとしても何らかの特殊事情がない限りオンヌット〜サムロンといったエリアに住む例は少ないと思います。

 

というのも、トンローやエカマイ地区でも若干条件に欠けている物件などは2万バーツぐらいで借りる事が可能だからです。又、過去5年程で多くの新築物件の供給が増えたのを背景に、過去に人気のあったコンドでも家賃が低下傾向にある事がもう一つの理由として挙げられます。

 

極端な例になりますが、つい最近の実例を挙げると、トンロー駅直結のNoble Remix スタジオ42平米が2万バーツ、プロンポン駅至近のSiri Residence 1ベッド 60平米が3万バーツ、などがありました。さすがに後者の方は激安の為、弊社のお客様が速攻で他コンドから引っ越しましたが・・・。

 

供給が飛躍的に増え賃貸競争が激化する中で、今後もこの様な割安賃貸物件がまだまだ出てくるものと思います。

 

ごく普通に考えて、トンロー駅直結コンドが2万バーツで借りられるのにわざわざオンヌットには住みませんよね?

 

プリセール物件はキャピタルゲイン狙いなので、という人もいるかも知れませんが、上記の様な状況の中、転売でキャピタルゲインを獲得できるという発想は楽観的過ぎるのでは?と思うのですが・・・。

 

そうなると唯一納得できる購入目的は自己居住になりますが、外国人がタイで不動産を買う以上必ずどこかで出口が必要になることもお忘れなく!

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