予算別に見るタイの不動産投資 (その4)

 

前回からの続きです。

 

今回は価格10ミリオンバーツ以上(3,000万円以上)の物件に関して見ていきます。

 

先ずは前回同様に予算別のお勧め度一覧表をご覧下さい。

 

※予算➡地域別のマトリックス

 

【バンコク】

弊社が最も多くの賃貸テナント付けを行っている日本人居住区、その中でも最も人気の高いアソーク~トンロー地区はバンコクでも一等地に当たりますので、この価格帯から弊社がお勧めする不動産投資術の本領発揮となります。

以前にも掲載しましたが、不動産大手CBREの提唱するコンドミニアムのセグメントを再度掲載しますので、こちらも参照頂くと分かり易いと思います。

 

※バンコクのコンドミニアムクラス(出典:CBRE)

 

Luxuryクラスのコンドは平米単価20~30万バーツと規定されており、最低ユニット価格は10ミリオンバーツとなっています。平米単価20万バーツの物件であれば、50㎡で丁度10ミリオンバーツ。これを4.5万バーツで賃貸契約を結べば、年間家賃54万バーツ、利回り5.4%が得られます。

日系企業の単身駐在員の家賃補助額は4~6万バーツとなり、最も多いのは5万バーツ前後となります。又、40㎡以下の物件は小さ過ぎて借りない傾向にありますので、賃貸利回り投資を狙う場合は、値頃感があるからと言って40㎡未満のユニットに手を出すと空室が続く憂き目に遭います。

又、日本人居住区ど真ん中であれば何でもいい、という訳では決してありませんので注意が必要です。通勤ルート(高速道路入口へのアクセス)、通学ルート(主に日本人学校のバスルート)、買い物利便性(フジスーパーがキーワード)、病院(サミティベート病院がキーワード)、外食利便性(料理しない単身多し)、駅近、一歩通行上に無い、‥等、様々な要因が立地の良し悪しを決定付けます。家族世帯別にその優先度も違ってきます。単身には良い立地でも就学児童のいるご家族世帯には良くない場合も多々あります。

この価格帯では、10ミリオンバーツ台前半で1ベッドルーム、後半で2ベッドルームが選択肢となりますので、選ぶユニットの間取によっても最適な立地が変わる場合も当然あります。

又、弊社の過去10年のデータを見ると、○○コンドでは1ベッドルームは人気があるけど、2ベッドルームはさっぱり、△△コンドではその逆、といった結果が出ることも珍しくありません。

賃貸利回り投資で物件の選択を誤った為に、テナントがさっぱりつかず空室が続くという例は珍しくありませんので、現地の賃貸事情に精通したプロに相談するようにして下さい。そのプロセスを怠らなければ、この予算レンジではさほど大きな失敗をする事はありません。

「家賃を下げれば借り手は付くでしょ?」という方も多いですが、日本人居住区の賃貸市場では値下げ攻勢は機能しません。大半の人達は会社より家賃手当てを支給されており、その予算をぎりぎり一杯に使い切る事を主眼に置き部屋探しするからです。5万バーツの支給を受けている駐在員に「3万バーツでお得だよ!」等と言っても意味を為さないのはお分かり頂けますよね?

 

賃貸投資の話が長くなりましたが、プリセール物件の登記前転売手法によるレバレッジを効かせたキャピタルゲイン投資もこの価格帯では有効な投資術となり得ます。

 

下のグラフは不動案大手CBRE出典の資料ですが、平米単価12万バーツ以上のコンドミニアムに関して、2010年からの平米単価の推移と毎年の伸び率実績をグラフにしており、2018年までの予測も読み込まれています。

 

※バンコク都心部のコンドミニアム、プリセールとリセール価格の推移(2010~2018年)出典:CBRE

 

因みに2011年はマイナスとなっていますが、この年は暗黒の土曜日に端を発する親タクシン派(赤シャツ)による暴動や大洪水が発生した年です。その例外を除けば、毎年7~10%の価格上昇が平均的に見られます。2015年にはプリセール物件の販売価格は1年で17%以上の伸びとなっています。

そして今後も毎年7~9%の価格上昇が見込まれています。CBREぐらいの大手になりますと多数の大型プロジェクトの独占販売している関係上、今後1~2年のプロジェクトであれば正確な情報を得ていますので、確度の高い予測であると判断していいでしょう。

毎年8%の価格上昇という事は、今月にプリセールで15ミリオンバーツの価格で3年後完成の物件を購入する場合、

2016年12月     15ミリオンバーツ

2017年12月       16.2ミリオンバーツ(キャピタルゲイン1.2ミリオンバーツ)

2018年12月       17.5ミリオンバーツ(キャピタルゲイン2.5ミリオンバーツ)

2019年12月       18.9ミリオンバーツ(キャピタルゲイン3.9ミリオンバーツ)

と上昇することになります。

プリセール物件の場合、完成までに支払うのは通常物件価格の20~30%です(パタヤは除く)。仮に30%支払って3年後に売却する場合は、支払い済み4.5ミリオンバーツの投資でキャピタルゲイン3.9ミリオンバーツを得る事になりますから、資本回収率は約87%に達します。

マイナス金利国家出身の読者の方には夢のような話ですが、これが過去10年以上に渡りバンコクの不動産投資家が享受してきた現実なのです。

例えばシンハエステート社開発のThe Esse Asoke、現在平米単価22~23万バーツで購入可能です。来年早々には完売する予定で、その頃には同社による新プロジェクトSingh Complexがプリセール開始となり、その平米単価は27万バーツ~となる予定です。となれば、The Esse Asokeのリセール価格はその新しい基準値を追う展開となるのは想像に難くありません。

(参考過去ログ: 6月のお勧め物件 その2

 

バンコクの不動産投資において25ミリオンバーツぐらいまでの投資でしたら、投資性向は似たり寄ったりとなります。25ミリオンバーツを超えてくると日本人駐在員の予算では追い付かなくなり、賃貸マーケットは企業オーナー、外資系大手企業役員、大使館職員、金持ちの遊び人‥等にテナントターゲットをシフト、需要はピラミッドの論理でかなり狭まります。

そして平米単価30万バーツ以上の投資では、キャピタルゲイン狙いが唯一成功への道筋となるのです。

 

【パタヤ】

パタヤではこの価格帯に入ると、ビーチフロントの高級物件がその多数を占めてきます。「これは凄い。」とよだれが垂れてくるようなプロジェクトをプリセールで購入すれば成功もあるかも知れませんが、ここしばらくはそのようなプロジェクトは無さそうです。パタヤ不動産の投資復活には、後2~3年は最低かかるものと見ています。

 

【シラチャ】

10ミリオンバーツを超えるコンドミニアムの選択肢は限定されます。Marina Bayfrontの2ベッドルーム、Nusa Srirachaが該当物件となりますが、その中で賃貸投資に期待が持てるのは唯一Marina Bayfrontのみとなります。Nusaは市街地から離れすぎており、安定した賃貸客付はほぼ不可能と見ています。

先回のブログでも書いたかと思いますが、Marina Bayfrontをプリセールで購入した人はキャピタルゲインを得ております。

尚、シラチャでは20ミリオンバーツを超えるコンドミニアムは存在しませんし、プロジェクトもありませんので、評価対象外となります。

 

前回同様に地域➡予算の順で作り直した一覧も掲載します。

 

※地域➡予算別のマトリックス

 

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