衰えない近隣諸国からの不動産投資熱

今週もバタバタ忙しく、シラチャ・バンコク・パタヤを駆けずりまわっているとあっという間に1週間が過ぎてしまいました。
今日はパタヤの自宅でのんびりと書いています。
本日はこれまでそれとなく感じながらも頭の中でぼんやりとしていた感慨をまとめてみることにします。徒然なるままに…、と言えば深みのあるように聞こえますが、諸所雑感と一笑頂ければと思います。
3日程前、日経をネットで斜め読みする中、2つの記事が目にとまりました。
1つ目は、
Brexitは千載一遇の好機か 中国勢、英国資産を安値買い
のヘッドライン記事。
掻い摘んで話すと、EU離脱の国民投票の結果を受け、英ポンド及び不動産市場の下落を好機と捉えた、香港、中国の投資家及び企業が英国の不動産投資額を大幅に増やしている、といった内容を、ある香港企業がロンドン市内のホテルを買収した実案件を紹介しながらレポートしていました。
2つ目は、
「ヤミ民泊」中国系が荒稼ぎ 新宿・心斎橋を侵食
こちらは、中国、台湾の投資家が好立地のマンションを買い、違法な民泊ビジネスを展開している、といった内容。中国版AirBnB、「自在家」といったサイトを通じて多くの中国人旅行客がこういった中国系オーナーの所有する物件を利用しているとの事で、これも大阪のとあるマンションで毎日のようにスーツケースをごろごろ転がして泊りにやって来る中国人旅行者の実例を通じてレポート。面白い内容でした。特に目を止めたのは、賃貸物件での運用まで市場が広がっており、つまりは民泊運用目的でアパート・マンションを借りて旅行客に貸し出している違法行為が横行しており、実際運用している外国人留学生にインタビューで法的な問題について聞くと、「日本人は繊細だね。貸し手と借り手の双方にメリットがあるからいいのではないか」といった下り。
中国系の人々の「商魂のたくまししさ」を改めて感じさせられました。
ただの違法行為で迷惑な話、といってしまえばそれまでですが、僕はそこに日本人に欠けている生存本能と言えばおおげさですが、そのようなものを感じます。
誤解を招かないように言っておきますが、僕は中国ファンでも何でもなく、尖閣問題や中国国内で吹き荒れた反日運動、さらには当事国では無いものの南シナ海の問題に関しても、中国に対しての反感を強く持っています。
但し、国家的に捉えるとそう思ってしまいますが、中国人民やアジア各都市に住む中国系の人々に対しては全く嫌悪感のかけらも抱いておりません。
マナーが悪い人も確かにいますが、その捉え方に置いては文化感の違いによる部分も大きくあるので、という事でおう揚に理解しようとしています。とは言うものの、腹立たしさを覚えた事も確かに少なくありません。礼儀はわきまえているのに、何でこんなに行儀が悪いのだろう?と思う事もしばしばです。
その反面、僕は彼らの商才をかなり高く評価しています。
20年以上に及びアジアで仕事をする中、ビジネスパートナーとなるのはいつも中国系の人達でしたし、難しい局面で助けて貰った経験も数多くあります。実際、今の会社においても僕の友人でもある中国系タイ人が株主として参加しており、無くてはならない存在となっています。
実は、僕は20代の頃6年間オーストラリアで仕事をしていました。余談になりますが、現地役員としてユダヤ系のオーストラリア人がいましたが、彼からも実に多くの事を学びました。
それは1990年台前半で、日本経済バブルが絶頂期に達し破綻したあの頃です。
バブル経済はオーストラリアエコノミーにも席巻し、演歌歌手の千昌夫がシドニーにある2軒のリッツカールトンホテルを所有し、高橋さんという謎の人物が経営するEIEなる会社が8件ほどの五つ星ホテルや私立大学を所有、大京観光がケアンズで大規模な不動産開発を行っていました。あの頃のジャパンエコノミーの勢いは今のチャイナエコノミーに勝るとも劣らないといった状況でした。
そしてバブルが弾けます。先述した不動産は高値掴みされていた為なかなか買い手がつかず、それを好機と捉えた中国人投資家等が驚くほどの安値で買い叩いていったのを目の当たりにしていました。その後EIEは長銀の破たんをもたらした、と記憶しています。
今思えばあの頃目にしたものが僕自身に強烈な印象を植え込み、中国人の商才を信じる現在に至っているのだと思います。
ここ2~3年、香港、シンガポール、台湾、そして中国からタイへの不動産投資は衰えを見せることなく継続しています。購入するのは富裕層も勿論いますが、それ以上に中間所得層の投資家が目立ちます。賃貸人募集目的で香港人オーナー等から弊社に問合せが来るケースも多いのですが、年配の方以上に30~40前半ぐらいの方が目立ちます。
香港、シンガポールでも販売活動を展開している大手ディベロッパーからの話を聞くと、売り出し後の週末に100以上のユニットを販売する不動産業者もいる、との事です。シンガポールでもホテルの宴会場でプロモーションフェアを開くと面白いように売れる、といった情報が耳に入ってきます。
実際先月は、日本人では無いお客様が弊社を利用して複数の高級プリセール物件を購入してくれました。
印象に残ったのは、決断の速さです。弊社でお会いしてプリセールの仕組みをご説明し、後日プリセール物件のショウルームを視察したその日に購入を決めています。
ディベロッパーの日本人担当者も、「近隣アジア諸国の投資家の買い方は日本人にはあり得ない。」と驚きを隠しません。「弊社のブランド、立地、価格で購入を決め、間取りや眺望等は結構アバウト何だよね。」と言っています。
投資目的の彼らにとってはその市場での数字のロジックさえ分かってしまえば、どんな形をしてようが半ば関係ない、といったところでしょうか?確かに日本人にはあり得ない考え方です。
しかしながら、ここ数年内に投資を実行した人達は大きなキャピタルゲイン、自分の国では得られない利回りを享受しているのは紛れもない事実です。
「もうタイはバブルじゃないの?」と長きに渡り上昇をした不動産マーケットに危機感を抱き、投資に躊躇する日本からの方を目にする事も多いのですが、それをしり目に近隣国からの投資熱は冷める事がありません。
もうこれ以上は上がらないんじゃないの?と思っているのもつかの間、タイの不動産市場は堅実な上昇を継続しています。乱暴な言い方になるかも知れませんが、このプリセール販売の仕組みの中では、香港、シンガポール、台湾といった近隣諸国の投資家が「タイの不動産はまだまだ安い。」として買い続ける限りは価格が上昇するわけで、株で言えば押し目買いが継続している、といった状況になっていると感じます。
そしてバンコクの都市中心部の土地価格は毎年最高値を更新しています。
投資しタイの不動産価格を押し上げているのはタイの富裕層、当然中国系の人達がその中核を成しています。そして、アジア近隣諸国の中国系中高所得者層です。
この実態を見ると、タイの不動産投資の伸びしろはまだまだある、と強く思うわけです。

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1件の返信

  1. 大川 より:

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    まさしく吉田社長の仰る通りです。 日本人は、デリケート、繊細すぎて、ゴキブリのような生存本能がある中国人に方が、不動産投資に関して、センスが違います。
    じっくり、検討してから。。。と言ってる間に、中国人に先に美味しい投資コンドを、買われてしまうのが、現実です。