賃貸勝ち組になる為に必要な事。(その3)バンコクの賃貸利回り投資で知っておきたいこと

前回は賃貸物件を不動産業者に告知する方法、賃貸前のお部屋の準備に関してご紹介しました。
順番が前後しますが、今回はバンコクの賃貸事情概要と言えば大げさですが、知識として持っていた方がいいと思われる内容に関して触れてみたいと思います。
先ずは、日本人テナントを探しているのは日本人オーナーとは限らない、という点です。
まあ当たり前と言えばそうなのですが…。多くのタイ人オーナー、インド人オーナー(バンコク、特にスクムビット地区では実に多く、その数はタイ人に続く)、欧米人オーナー、そして最近では香港人、シンガポール人、そして台湾人等近隣アジア諸国のオーナー‥等から日々、「是非日本人テナントを紹介して~。」とメールやら電話やらが寄せられ、弊社を訪ねてくるオーナーも珍しくありません。
馴染みのオーナーになると弊社にケーキやお菓子などの付け届けをする人も珍しくありません。年末になるとそれが顕著になり、小さい部屋一つ分が贈答品で溢れかえり、社員がくじ引きをして持ち帰っているぐらいです。
ですので、付け届けはお忘れなく、等と言っているのでは勿論無く、それほど物件オーナーは客付けに熱心だという事を理解して頂きたいのです。
日本人テナントは、
1. 駐在員が大半なので、会社から家賃手当てが出ている為家賃の取りっぱぐれが無い。
2. 部屋をきれいに使ってくれる。
3. 居住ルールを守りご近所さん、管理事務所とのトラブルが少ない。
4. あれしろ、これしろ、といった要求が少ない。
5. 賃貸契約を順守する。

といった理由で人気があります。
欧米人テナントは、ルールを守らずトラブルを起こす、要求が多く手間と余計な金がかかる等の話を良く耳にします。そういった嫌な経験をした物件オーナーは多いようで、自ずと日本人テナントを第一の選択肢として求めるようになりました。
続いて、賃貸投資をするに当たりアジアの中でどこを選ぶのが得なのか?と検討されている投資家の方に外務省がまとめた統計資料に是非注目して頂きたいと思います。
海外在留邦人数調査統計として、2015年10月1日時点での海外在住の日本人数(3ヶ月以上の長期滞在者と永住者の合計)が発表されています。
国・地域別の在留邦人数
1. 米国 41万9610人(前年比1.3%増)
2. 中国 13万1161人(同2%減)
3. オーストラリア 8万9133人(同4.8%増)
4. 英国 6万7997人(同1.1%増)
5. タイ 6万7424人(同4.9%増)
6. カナダ 6万6245人(同4.7%増)
7. ブラジル 5万4014人(同0.7%減)
8. ドイツ 4万2205人(同5.8%増)
9. フランス 4万308人(同5.1%増)
10. 韓国 3万8060人(同3.7%増)

賃貸投資市場の対称となるのは投資物件グレード等を考えればやはり日系企業の駐在員クラスと見るのが妥当かと思います。上記統計トップ5の中では、米国、英国当たりは駐在家族が多いと同時に永住者も多数いるでしょうし、オーストラリアはワーキングホリデーの若者層が中心を占めており、それに比較すれば企業駐在員はマイノリティになります。やはり潜在テナント層が厚いのは中国、タイと見て間違いないでしょう。
それでは、アジアの近隣諸国はどうでしょうか?統計結果は次の通り。
11. シンガポール 3万6963人(同2.7%増)
12. マレーシア 2万2774人(同3.3%増)
13. 台湾 2万162人(同8.4%増)
14. インドネシア 1万8463人(同3.2%増)
15. フィリピン 1万7021人(同9.8%減)
16. ベトナム 1万4695人(同8.5%増)
22. インド 8655人(同4.1%増)
34. カンボジア 2492人(同9.8%増)
39.ミャンマー 1776人(33.5%増)

タイに次ぐシンガポールでも既にタイの半分強に留まっており、最近話題となっているインドシナ3国も伸び率はありますが、1万人前後かそれ以下というのが実情です。又、タイを中進国と位置づければ、他インドシナの国々は未だ発展途上国となります。社会体制も違えば、法的整備の成熟度もまだまだこれからという国々なのです。自然と投資はハイリスクハイリターン型になり、成功すれば大きな利益を手にできますが、裏目に出ればロスも大きいと思います。
地域的な賃貸不動産の需給バランスもありますので、この単純比較で「だからタイは賃貸投資に最適格だ。」等という詭弁的な結論は避けるものの、安定して5%以上の実質利回りを得られる、外国人が投資するための不動産関連の法律が整備されている、十分な実績がある、そして先述した在留邦人が多く伸び率も高い、等などを考えれば、タイの賃貸利回り投資は非常に魅力的と判断していいのでは無いでしょうか?

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