タイのコンドミニアムの間取り(その6) 網戸についてちょっと

間取りとは直接関連はないのですが、今回は網戸に関して触れたいと思います。
マンションを含めた日本の家屋では網戸が付いているのはごく一般的かと思いますが、タイではそうではありません。
タイでマンションを買っても、完成後に自分で業者を手配して設置するのが普通です。
それでは、タイのコンドミニアムで網戸は普通付いてないの?と疑問を持たれると思いますが、付いてないユニットの方が圧倒的に多い、のが現状です。
タイでは蚊が少ないのか?と言えば、亜熱帯のこの地でそのようなことは当然無く、日本以上に多いですし、蚊の媒体によって引き起こされる病気の発症件数も日本とは比較にならない程多数にのぼります。
1~2年ほど前に日本で騒ぎとなったデング熱の感染例も毎年3ケタを数えます。
この状況の中、なぜなの?と思ってしまいますが、考えても適当な答えは見つからず、やはりまだ発展途上国~中進国の位置づけのこの国では、他の多くのものがより優先されてしまうのかな?と勝手に納得するばかりです。
賃貸仲介において、日本人顧客から網戸の設置リクエストはやはり少なくなく、その場合はいつもお付き合いしているタイの業者さんに設置してもらっています。
下の写真は、日本では一般的な網戸の設置状況です。
※日本の網戸
日本の網戸
次の写真はタイの網戸となります。
※タイの網戸1
タイの網戸
違いに気付かれましたでしょうか?
日本においては、外側に取り付けられるのが通常ですが、タイでは内側に取り付けられます。
使用イメージを思い浮かべて貰えば、どちらが正しいのか容易にご理解頂けるものと思います。
網戸が外側にある場合
常時網戸、ガラス窓を共に閉めた状態でいれば、エアコン(又は暖房)のオン・オフに合わせて、又は暑い・寒いに応じて、内側のガラス窓の開閉をすれば用は足ります。
網戸が内側にある場合
上記とは逆に、網戸を開けてガラス窓を開閉しなければいかないので二重手間となっていまいます。
何故そのような事が起きるかというと、網戸の設置が全く考えられることなく建築プランが作られるため、完成後の後付となると、レール枠の取り付けがその構造上どうしても内側になってしまうのがその理由となっています。
「蚊が多いんだから、そんなの始めっから考えろよ。」と思う人(日本人だけ?)は多いと思います。
先回掲載したバスルームの話や洗濯機の設置場所も含めて考えると、タイの住居デザインは、生活動線、人間行動学といったものに基づいた居住利便性というものへの意識が低すぎるのではないかと感じます。
それだけではなく、写真にあるタイの網戸は、中心に太いフレームが横断しており、そこに取っ手が付けられているのですが、これが眺めの大きな邪魔になっています。又、日本のものとは違い、網の張りが緩いため全体がダランとしています。
最近はアコーディオン式網戸がタイでも見かけられるようになりました。網がアコーディオン式に伸縮するタイプです。
※タイのアコーディオン式網戸1
アコーディオン式網戸1
でも、設置はやはり内側です。
※タイのアコーディオン式網戸2
アコーディオン式網戸2
全開すると網の部分は折りたたまれ見えなくなります。
※タイのアコーディオン式網戸3
アコーディオン式網戸3
見栄えはするのですが、タイ製のものは品質が良いとは言えず実に良く壊れます。網の伸縮を数本の糸で行う仕組みなので、これが切れると次のような状態となり網戸の開閉そのものが不能となります。
※タイのアコーディオン式網戸4
アコーディオン式網戸4
実は、僕もこの網戸を付けたのですが、本当に良く壊れました。
決して安くはなかったので、期待が大きくハズレがっかりの結果となったのでした。

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