The Marriott Residences Pattayaコンドミニアムプロジェクト倒産?

実は23日より休暇で帰省しています。のんびりモードに突入し、当ブログも途切れてしまい・・・。
本日再開です!又、読んで下さいね。
ショッキングなタイトルなので驚かれている人もいるでしょう。
実は、先日上記のプロジェクトを購入されたお客様から直接情報を頂きました。因みにこの物件は弊社が販売したものでは無く、お客様がディベロッパーから直接購入されたケースです。
※THE MARRIOTT RESIDENCES
marriott_residences_pattaya
もともと開発会社ONYXがマリオットホテルグループと組んで立ち上げたプロジェクトで、建物内にホテルとレジデンスをつくり、レジデンス部分をコンドミニアムとして分譲するといった内容でした。
同様のコンセプトはタイでは珍しくなく、バンコクのリッツカールトンレジデンス、フォーシーズンレジデンス等が例として挙げられます。
高名なホテルブランドを呼び寄せパンダ的に使い、ラグジャリー感を醸成する、まあどこにも見られる常套手段と言えばそうなのですが、ホテル側としてもそれなりのプロジェクトでなければブランドの名が傷つきますので、不注意に手を出すことはありません。
ですので、こういった複合プロジェクトは一般的には安心できるもの、との共通認識が一般的にはあります。僕自身も同様に考えており、「高級ホテルとの複合プロジェクトですから、ブランド力があるので不動産価値は落ちにくく安心ですよ。」くらいの事は日常的に説明しています。
ですので、このお話をお客様から伺った時には耳を疑いました。
にわかには信じられませんでしたが、
私と他一名は分割返済に応じましたが、同社はコンドミニアムが建築出来なかったことで、アメリカ人○○、フランス人○○と香港の投資家から訴えられており、まだ交渉のテーブルについていない購入者が約50名いると聞いております。
との説明ですので、真実と判断しています。
ネットで調べてみてもどこにも関連ニュースは出ておらず、現在は水面下で事が運ばれているのかな?といった印象です。パタヤの不動産業者のサイトでは、今以て普通に同物件のプロモーションが継続しています。ひどい話です。まあ時間の問題で、その内大きく報じられることでしょう。
このプロジェクトはプラタムナックというパタヤとジョムティンの中間に位置している地区で従来は一軒家が並ぶ閑静な住宅地でした。タイ王室関連の別荘もあります。丘陵地の地形なので眺望がいい、パタヤ中心のアクセスに便利、静かな周辺環境‥等の理由から、欧米人を中心に人気が高く、ここ5.6年に多くのコンドプロジェクトが立ち上がりました。そして大半は無事竣工してきました。
ここ10年に渡り好調だったパタヤの不動産マーケットが変調を来した背景には、ロシア人マーケットの崩壊があります。
日本では中国人の爆買いが連日話題となっていますが、パタヤでは他アジアリゾート地域と同様に、ロシア人ツーリストがマーケットの中核を担ってきました。好調な原油他天然資源を背景に経済力を蓄えたロシア、そのマネーは多くのロシア人に富をもたらしたことは言うまでもありません。
そしてそのマーケットを狙い、多くのアジア諸国がツーリストビザの免除を実施、他欧米やアジア諸国からの人々と同じ入国条件としたのです。
過去には適わなかった自由な西側諸国への海外旅行の環境が整い、ロシア人が寒いロシアからアジアのトロピカルリゾートを目指して旅行をするようになりました。
そして旅行だけに留まらず、多くの富裕層が別荘を購入するようになったのです。
パタヤではロシア人マーケットが中心となってパタヤの経済を繁栄させてきた、と言っても過言では無いでしょう。実際僕のパタヤの拙宅(コンド)にも多くのロシア人が住んでいます。5~10月はあまり見ないのですが、11~4月は70~80%はロシア人住人となります。
そして、そのパタヤにとって重要なロシア人マーケットが2014年暮れぐらいから失速し始めました。要因の一つはウクライナ侵攻に対しての欧米諸国から受けた経済制裁、もう一つは原油価格の急落、そして結果としてのロシア通貨ルーブルの暴落。
従来ルーブルはタイバーツと似たような価値で、1US$が30バーツぐらいだった時には30ルーブルぐらいでした。それが70ルーブル台に暴落。ルーブル価値は半値以下となりました。これでは、不動産投資に急ブレーキがかかるのも無理はありません。
このThe Marriott Residencesもロシア人購買層を相当当て込んでいたに違いありません。そしてその目論見は見事に外れます。
パタヤの開発会社はや不動産業者にもこの影響は大きく見られ、かつての活況は息をひそめている状況です。
コンド開発会社は中国人マーケットで補てんを試みていますが、功を奏したプロジェクトはほぼ皆無。
ロシア人はパタヤ、中国人はバンコクを選択しているからです。
中国人の海外での不動産投資も現在の中国経済の不調を背景にスローダウンする日が来るでしょう。ツーリストの爆買いと海外投資は、発想と動機そのものが全く違うからです。
とは言え、全てのコンドプロジェクトがつまずいているわけではありません。
UNIXX SOUTH PATTAYA、THE BASE CENTRAL PATTAYAといったプロジェクトは盛況で、大きな成功を収めています。
将来性のある優良なプロジェクトに投資すれば、好調とは言えない不動産マーケットを背景に堅実に抑えられた販売価格購入でき、結果投資効果が高くなるかと思います。
そして今後安値で出てくる中古物件も十分に予想できますので、割安感のある物件をタイムリーに購入する事をお勧めします。

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