キャピタルゲイン?インカムゲイン?目的に適った物件の選び方。(その2)

同テーマの先回のブログでは、
現地に精通せずにセミナーを通じて不動産購入する⇒キャピタルゲインで成功はできてもインカムゲインで成功する事はできない
と断言致しました。
まだちゃんと説明してないじゃないか?と思われている方もいると思いますので、更にお話を進める事にします。
さかのぼる事昨年の暮、随分前になりますが、次のような記事を掲載しました。
ソイ39のSIAMESE系物件2件。GIOIAとTHIRTY NINEが人気を分けた理由。
ここでは、同じエリアにありながら、ちょっとした立地条件の違いで、勝敗を分けたコンドに関して具体的な例を挙げて説明しています。
実際ここに登場した物件に限らず、このようなケースは多々あります。
勿論勝敗を分ける要因は立地条件のみに留まりません。
間取りの違い、インテリアの違い、共有設備の違い、家賃設定の違い、家主の違い、賃貸顧客の契約条件の違い、賃貸顧客が所属する会社の方針の違い‥等、様々な要因で、時には物件そのものの勝敗を決定付け、又時には選ばれ易さとして現れます。
特に立地条件や物件ブランド力は、勝敗そのものを分ける決定的な要因となりがちです。
駅近が必ずしも人気とは限らない日本人居住区
立地条件に関して先ず脳裏に浮かぶのは、ユニバーサルなキーワード“駅近”ですが、当地バンコクにおいても当然優位条件とはなるものの、必ずしも絶対的な要因とはなりません。
何故か?
バンコクにおいて、日本人居住区の高級コンドに住むような潤沢な予算を有しているのはほぼ100%が日系企業に勤務する駐在員層となります。企業によっても異なりますが、単身者で3~6万バーツ、夫婦及び子供のいる家族世帯で5~10万バーツ程の家賃手当が会社から支給されます。日本円にすると、1バーツ=3.4円計算で、それぞれ10.5~21万円、17.5~34万円となりますので、日本の家賃相場から見ても「結構豪華な暮らしぶり~。」といった印象です。タイの一人当たりの年間GDPが5,600米ドルを超えたところですので、現地のタイ人からするとまさに特権階級の住居、といったところでしょうか?
高級コンド
※高級コンド
そして大事なところは、ほぼ100%の駐在員は運転手付きの専用車が支給される、という点です。企業によっては、奥様にも運転手付きの専用車が使える日を設けている、等を実施しています。
つまりは、「駅近でなくても別にいいよ。」といった邦人世帯が少なくないのです。そういったケースでは、駅近よりもスーパー近がいい、子供が小さいので日本語が通じる病院近が欲しい、子供が通う塾のスクールバスルートが必須条件‥等、多様な希望が提示されてきたりします。
勿論全ての希望が適うとは限りませんので、個々の条件に優先順位があり、これは絶対に譲れない、まあここら辺は妥協の範囲内、といった判断を下していきます。
日本人居住区を代表するアソーク、プロンポン、トンロー、エカマイといった地域において、上記のような理由で必ずしも駅近の物件が選ばれているわけではありません。
特に人気のトンロー地区、駅近よりもスーパー、日本村、日本人御用達のサミティベート病院等へのアクセスに便利な駅から離れたエリアにより人気があります。ここでは見事に駅近神話が崩れ去っているのです
「毎日外食だよ。」といった例外的な単身者もいるものの、タイといった異国の地に住む日本人にとって日本の食材の入手は重要事項となります。その需要に一手に応えているのが、バンコクでは超有名な“フジスーパー”です。日本人居住区には4店舗あり、「フジスーパーに歩いて行ける便利な物件がいい。」はほぼ毎日のようにお客様から耳にする言葉です。
フジスーパー
※フジスーパー
フジスーパーへ歩いていけない離れた物件でも、物件の居住者専用のシャトルサービスがあると妥協してくれたりもします。それもまた無い場合は「シーローで行ける物件であれば。」というのが最後の妥協ラインとなります。
シーロー?
シーロー1
※シーロー1
これはアソーク~トンロー地区の奇数側のソイのみを走って回る域内タクシーサービスで、距離によって料金は異なりますが20~50バーツ程で利用できます。バンコク市内で走っている“TAXI-METER”とは違い、軽トラックの荷物台を客席に改装したものでエアコン等は装備でしていません。
シーロー2
※シーロー2
「こんなのに乗っているの?」といった印象をつい持ってしまうボロな外観ですが、日本人居住区に住む駐妻の皆様には非常に心強い味方で、無くてはならない存在となっています。一度フジスーパーに足を運ばれて下さい。多数のシーローとちょっとワイルドなオーラを放った運転手の群れを目にする事ができます。
目的に適った物件の選び方、をテーマに書き始めましたが、筆を進めながらその奥行きの広さを自分自身で痛感している次第です。ちょっと内容がコア過ぎてあきられるかな?といった懸念を持ちますが、バンコクで賃貸に選ばれる物件というテーマに肉薄するにはやはり理解して頂きたい部分です。何分ご理解とご忍耐の程を!

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