下落が続くバーツ 今後はどうなる?

8月17日に起きたテロ。死者20人を出すとても悲惨な事件となりました。未だ犯人は逮捕されずバンコク市民は警察に抗議をしている模様です。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
日本のテレビでも恋人をテロでなくした若い女性の姿が放映されていましたが、途中で切ってしまいました。悲しくて見ていられません。
その影響もあってかバーツが連日下落しております。本日は3.37円です。テロが理由とするとあまりにやりきれない思いですが、経済と事件は切り離して考えていかなければならないでしょう。
今年の一時期は3.9円台を示していたので当時と比較すると、とても購入しやすくなっています。つい先日380万バーツの物件を購入した方を引き合いに出せば、
3.93円 380万バーツ 1,482万円
3.37円 380万バーツ 1,281万円   約200万円の差ですね。
つくづく為替の影響力を感じます。
では高いときに購入した方の意見はどうかというと、高いときに購入した方は総じて今後のタイコンドの価格上昇を念頭に置いていた為レート面は考えていなかったようですが、流石に今回はチャンスと捉えているようです。
今後の展望
どこまで下落が続くかは何とも言えません。不動産価格が下落しているという話は今のところ耳にしておりません。バーツ、株価は下落しております。今後バーツや株価が続落していけば、強いインフレとなり不動産価格の押し上げに繋がる期待を込めています。
タイ不動産神話
タイ人はよく口にします。「下がった歴史がない」もちろん不動産の価格においてです。だから今でも「下がらないよ」と平気で言います。甘い見解だと思います。2014年に最低賃金が上昇して一般市民にコンドミニアムが変えるという夢が膨らみ、タイ人の今欲しいもの№1になっているようです。その多くは下がらないものと認識していますので、それは欲しくなって当たり前ですね。バーツ危機やリーマンショック等いくつかの経済的危機の際もタイの土地価格の下落はほぼなかったといえます。
戦争といった要因を考えれば、隣国のカンボジア、ミャンマー(ビルマ)、ベトナム等は歴史的背景に戦争を外すことは出来ませんが、タイは比較にならぬほど戦争が少なく、映画『戦場にかける橋』で有名になっている部分はありますが、これは第2次世界大戦時の日本と連合国間の話です。また舞台となったカンチャナブリには日本人墓地もありますが、やはり隣国と比較すれば不動産神話にしろ、戦争の少なさにしろ、無心論者の僕ですが、仏教国ならではの平和主義に助けられている部分が強いのではと感じたりもします。
しかし、そんな甘いものではありませんというのが僕の考えで、まだタイコンドの歴史は浅く、取引も富裕層中心に行われてきた背景があります。
やはり今後は勝ち組負け組みの差がはっきりと出てくると思います。
【重要】物件を目視してください。
やはりこれはとても大切なことです。医療にセカンドオピニオンがあるように、タイに来て何社かの話しを聞くということは、客観的に物事を見られる大切なことだと思います。
その理由は、次の通り。
ヨシダ不動産オフィスの面積は269㎡(81.37坪)あり、とてもゆったりとしていて且つ、アソーク、プロンポン駅よりアクセスしやすいので、来店客が多く特に売買の方は頻繁に来店されます。売りたい、買いたい、タイに住みたい等様々な相談事項を受けるのですが、困った相談は、高く売れると聞いた、すぐに貸せると聞いた、人気物件ですと聞いた。しかしうまくいっていない。等々が多いことです。
中にはタイ人しか購入しないような場所、外国人投資家が見向きもしない場所。これを上記理由で購入している方もいらっしゃいます。特にプリセールを購入された方は登記日程ぎりぎりになって動かれる方も多く、登記したくない、売り抜きたいとなっても、お手上げ状態の場合もあります。
特徴的にはその多くの方は現地を見ずに購入しているのです。しかしこれって他人任せの結果ですよね。僕から言わせれば失敗する可能性が高いのです。指南した方の話を鵜呑みにした結果です。
現地に来られる方の特徴は、自ら勉強しておられます。
ある方を例に挙げると
この方は弊社のお客様ではなくたまたま知り合った方なのですが、その方の知人よりタイ不動産投資を勧められたが興味がなく、興味がないものを進められても動く気すらなかったのですが、少しだけネットを覗き物件情報なんか見ていたら楽しくなってしまい、その後は昼夜問わず時間さえあれば物件情報や知識の埋め込みにいそしみ、結果既にいくつか購入しているのですが、全勝です。
それまで誰かに意見を聞くこともなく、独学でタイ物件の情報収集をして数多く物件を見に行き、
その結果購入した物件は、プロですか?と思わせるほど全て人気物件であり、プリセールも上昇の可能性の高い物件でした。正直驚きました。
投資で成功する為には、
自らも知識を得ること、よく物件を見ること、人任せにしないことです。
確かにタイは不動産価格の下落とは無縁の歴史がありました。タイ人も下がらないよ、といいますが、今後はそうは行きません。コンドミニアムの数が増加して、建築中の物件が後を立たない状況下、必ず勝ち組、負け組みが出るようになります。
日本とて同じことで昭和30年前半の公団購入ブームにてマンションというものの分譲が始まり、高度経済成長時代、東京オリンピック、大阪万博と節目節目で大きく価値は増大し、50年前後に再び建設ラッシュが起こり、その間多種多様な法整備が加わり、重要事項説明書の枚数が増え続け現在に至るわけですが、バブルが来るまではタイ同様大きな下落はなかったと思います。
大きな下落経験がなかった故にバブル時は危機管理能力が薄かったわけで、今のタイの「落ちないよ」の感覚に近かったのではないでしょうか?
リーマンショック時は、学習をした不動産業者社長や不動産投資形は切り抜け、財を成した方が多く存在しました。(下記参照)
日本の住宅ローンを持ちながらタイのコンドに投資する③
タイのコンドミニアムは日本の不動産の歴史になぞらえるのではないかと思います。タイでは一般市民のコンドミニアム購入の扉が開いたばかりなのです。
そして昭和39年の新幹線開業と似た意味で、高速鉄道の建設、バンコクを中心とした数々の鉄道敷設、これを日本と比較しながら見ていくと、タイはもう終わったという方もいますが何を根拠にしているのかなと思ってしまいます。
中国の株価が日々下落して、タイコンドを爆買いした中国人の成り行きはどうなるのかと考えたりもしますが、でも中国だって以前は今のタイの状況をたどっているのです。
日本人だってバブル前後は海外でブランドを買い漁り、欧米人の冷えた目線にさらされていた時代もあったわけで、それが今中国人の爆買いとなり何年後かにはタイ人が爆買いということになる可能性も十分にあると思います。
本当の意味でタイ不動産投資は、一部は成熟しているといえますが、まだまだ草創期と僕は思っています。

おすすめ