スクムビット日本人居住区賃貸事情 オンヌット周辺の新日本人居住区篇
ソンクラーンが終わり大して暑くなかったバンコクですが、最近急に温度が上昇してきました。１週間予報を見ると40℃前後の日が続くようです。
逃げたい。という衝動に駆られます。
ヨシダ不動産のデータベース“CRM”
このCRMには全てのお客様のデータが取り込まれており、入居している全ての物件の情報、オーナー管理、賃貸物件管理における全ての情報が網羅されています。
どの物件に人気がるのか？逆に人気のない物件までもワンタッチで詳細が参照できます。物件自体の人気は高いけど、この平米数やこのタイプは人気がありません、というのもわかります。特に日本人居住区での購入を希望される方には力強い味方になるでしょう。
仲の良い日系不動産業者からも羨まれるシステムなのですが、ヨシダホールディングスグループに入った社歴30年の小林㈱が長年に渡って築き上げたバンコク賃貸不動産の集大成とも言える膨大なデータベースです。
購入検討の方にも大いに役立っており、購入したい物件にどれほどの入居者の変遷があるのか、現状どのくらいの入居者がいるのかの人気度がチェック出来るのです。
先日も来店された方に人気BEST4の物件の契約履歴をご覧いただいたところ、その入居者の多さにびっくりされていました。その時点で購入物件の絞込みが出来たようです。
ただ、人気物件は誰でもわかりやすいものです。安定的賃貸収入を望めますが人気物件だけに価格も高く決して高利回りとはいえません。
BIG4に続く物件や隠れたる好物件、高利回り物件等を薦められたのはよいけれど本当に借り手がつくだろうか？心配だと思います。そんなときに大いに役立ちます。
ここ10年前後のデータとなりますが、物件名を入力すれば過去の契約者履歴の一覧が出ますので一目で確認できます。もちろんそのデータベースはヨシダ不動産と小林不動産のものですので、他の有力日系不動産会社も加えれば数倍の入居者がいると換算できると思います。大家さんになるという目的で購入する方には強力な味方になると思います。
そこで今回より4回に分けて日本人居住区4地区の賃貸事情を説明します。
特徴的にはアソークからエカマイまでの日本人居住区の1ベッドルームに関しては、40㎡以上の広さの部屋を選ぶお客様が多く、2ベッドルーム以上の間取りで好まれるサイズは千差万別です。それこそ50㎡台から300㎡超まで有ります。
プラカノン、オンヌットの新日本人居住区を選ぶ方は20㎡～40㎡を選ぶ方が殆どとなります。なぜならこのエリアの物件は最近できたものばかりですので、45㎡を超えるお部屋はごく一部を除いてはほぼ存在しません。40㎡超となると2ベッドルームの間取りとなります。
また次のような内容を良く質問されることがあります。
Q 大手企業勤務の方の家賃は高いのですか？
A そんなことはありません。ただの先入観だと思います。タイには大企業中小企業様々な業態の日系企業がありますが、会社が支給する家賃補助額のレンジは千差万別だと思ってください。
第１回 プラカノン、オンヌット
プラカノン
超人気物件 RHYTHM44/1 1ベッドルーム 広さ30㎡台、45㎡
SKYWALK 1ベッドルーム 広さ50㎡～
上記2件がトップ人気です。物件そのものの高級感、存在感において十分な高級物件と呼べるものです。1ベッドルームの賃料は安ければ30,000バーツ強から用意できますが、35,000バーツ以上が一般的です。今後の値上がりも十分に考えられます。
RHYTHMは1ベッドルームの中心が36㎡と45㎡タイプですが、入居割合が約1：2です。SKYWALKと同敷地内に建つLE LUKにおいては、プラカノン、オンヌット地区ではとても珍しいのですが、1ベッドルームで50㎡のタイプがあります。その他物件においても50㎡以上の広い1ベッドルームが無いことは無いのですが、部屋数は極少数で１フロア１室あるかないかといった具合です。
オンヌット
これがオンヌットとなると、2012年以降の新築建設ラッシュ時の物件は30㎡台が中心ですが、一番人気物件のRHYTHM 50では例外的に45㎡程の1ベッドルームが用意されています。
したがってオンヌットでは20～30㎡台前後の1ベッドルームを借りている方が圧倒的な多数を占めます。
以下に最新駅前コンドの比較をしてみました
人気度BEST3
１位 RHYTHM50 最多面積 45㎡
２位 IDEO VERVE 最多面積 30 ㎡台
３位 IDEO MOBI 最多面積 21～22㎡
最多面積というのは最も日本人が多く住んでいる面積です。1ベッドルームでの結果となりますが、そもそもこの地区に2ベッドルーム以上で借りられる方はとても少ないのです。今後変化していく可能性はあるでしょうが、現状日本人学校のバスが来ないので、もしバスが来るようになれば世帯分布は変化すると思います。
賃貸期待外れ物件
最もたるのはQ HOUSE ONNUTです。結論から言うと30㎡台の1ベッドルームが中心となりますが、小林、ヨシダ合わせてその30㎡台の物件には２組しか入居者がいない状況です。理由としてはQ HOUSEといえばランスアンを代表する高級物件が売りのブランドです。オンヌットとはいえそれなりのクォリティで建築されると思っていたのですが、他の物件と併せて案内することにより選択されることはほぼありませんでした。期待値が高過ぎたのでしょうか？
同様に建築中から日本語の看板が掲げられ日本人集客を図ったPRESIDENT SUKHUMVIT81は入居者１組に留まります。いずれもオンヌット駅前ですが、まだこれから人気が出る可能性もあるものの、現状では2012年以降組みの新築物件には明暗がはっきり分かれています。
私自身もこのQ HOUSEの結果は間違いではないかと何度もデータベースを確認しましたが、いくつかの検索を試してみても出てくる名前は2名だけでした。
タイに詳しい方や現地採用者の方は自分の足で物件を探されることも多く、稀にエージェントを通してくれといわれることはありますが、多くは管理室で空室を管理しています。よってその情報はありませんし、他の有力日系不動産会社のデータまではもちろん有しておりませんので、決してこれで全てでは有りませんが、人気物件で無いことは確かでしょう。
プラカノンも同様に平均的予算の駐在員はRHYTHM44、SKAYWALK、LELUKに多く、20,000
バーツ台の方はWYNE、THE BLOOM、LIFE AT SUKHUMVITあたりが中心と思えます。
ただあくまでこれは賃貸収入を考えた場合でのことで、価格上昇は現在も続いておりますし、今後も
伸びていく可能性は高いと思います。しかし賃貸収入をお考えの方には、確実な指標となったと思います。まず弊社にお立ち寄り頂き、データベースのCRMを確認いただければ一目瞭然に判断頂けると思います。
何故このようなことが起こるか？
① オンヌット、プラカノンでは圧倒的に30,000バーツ以下の家賃帯の物件が中心
駐在員でも若年層、現地採用者、比較的家賃補助額の低い会社の方が中心となっており、15,000バーツから良くて30,000バーツまでの家賃帯となります。圧倒的に多いのは20,000バーツ台となります。
RHYTHM50のみに関して、平均的な家賃補助額を得る企業の駐在員層が借りています。因みに弊社調査の日系駐在員の1ベッドルーム平均予算は35,000バーツです。
② 比較の原理
オンヌットを希望されている場合、上記物件は全て１度の案内にて見て行きます。2012 年以前の物件も少し案内リストに加えると思いますが、基本的に多くのお客様は気に入った物件があると、その後は
その物件との比較が脳内で始まります。その結果多くの方がBEST3の物件をチョイスしたことになります。
限られた予算の中で少しでも魅力的な物件を借りたいと思うのが人間心理です。RHYTHM50以外の20,000バーツ前後の物件として、これほどまでにIDEOの2件に人気が偏っているとはCRMを開くまで私自身気づきませんでした。特にIDEO MOBIは１階にスーパーのマックスバリュが入っていることも人気の一因かもしれません。
③ 面積帯
RHYTHM50やSKYWALKはバンコクに１年以上居住し、タイの生活に慣れた方が引っ越すことが多く見受けられます。それ以前はスクンビット日本人居住区に住んでいたケースが多く、そのエリアの1ベッドルームの面積は40㎡超が中心となります。プラカノン、オンヌットでもそれに準じた面積の物件を探す傾向にありますので、物件の見栄えの良さも併せて上記BEST3人気物件に集まってしまうのかと思います。
逆にオンヌットは15,000バーツ前後から希望家賃が始まり、20.000バーツ台の家賃が中心です。よって比較的狭めの20～30㎡台が中心に人気となるのだと思います。
投資指標としては上記物件で駐在員御用達であれば家賃も高く取れますが、その分購入価格も高くなります。家賃20,000バーツ台の物件はそれに比べ安価で購入できますが、家賃も安くなります。現状どちらが高利回りかというと後者です。また賃貸の客付けにおいての可能性の高さは前者です。判断に迷うところですね？
次回はアソークからエカマイまでの日本人居住区の賃貸事情について紹介します。
写真集
※ RHYTHM44
※ RHYTHM50
※ SKYWALK、LELUK
※ WYNE
※ IDEO MOBI
※ IDEO VERVE
※ Q ONNUT
※ THE PRESIDENT
※ THE BLOOM
