スクムビットソイ43『リッチモンド パレス』少し目を疑う価格でした。

日本には4つの季節がありますがタイには1つの季節しかありません。そう常夏の国です。短いものの多少涼しい季節もありますが、基本的にそれでも夏です。冬にはあまり登場しないハンカチも、売れている一発屋芸人が毎日テレビに出てくるくらい1年中頻繁に登場します。
そんなタイを大好きな欧米人といえばロシア人。極寒の国から常夏の国へ。逆にタイ人も北海道で雪を見ることがステータスとなっているわけで…。これは無いものねだり現象ですね。その面で日本という国は四季折々が豊富に感じられる国で季節感、色、景観、マリンスポーツの南は沖縄から、ウィンタースポーツの北は北海道までなんとも贅沢な国に生まれ育ったのだなと、海外にいてこそと思いますがシミジミと感じます。
さて今回は何と表現してよいのやら、日本での不動産活動の際に、お客様の要望として最も多いのは
「安くて良い物件」
当たり前ですね。そんなのはありませんと言いたいところだけど、大幅に安いというものでなければ相場より比較的安いという物件は出てくるものです。まさにそんな物件が出ました。
日本では、相場より安い物件が売りに出る際に最も多い理由は買い替えです。現在所有している物件を売却した資金を、次の物件の購入に充てるわけです。買い替えの手法は、よっぽど資金に余裕がある場合以外殆どがこのパターンです。
当然少しでも高く売り出して納得行く価格で売れることが望ましいのですが、実際そう簡単にはいきません。何故ならば契約書には必ず契約期限が記載されます。次の物件の売主が、「いいわよ、ゆっくり売ってね。私の家の引渡しはあなたの家が高く売れるまで待つからね。」こんな売主ありえませんよね。
買い替え先が新築中古含めて完成物件の場合、概ね引渡しまでの期間は1ヶ月です。余裕を持っても2ヶ月を超えることはあまり例がありません。ということはその間に現在の持ち家を売却しなければなりません。
買い替えする場合の契約条件としては、買い替え特約というのを付けて定めた期限までに売却できなければ白紙解約となります。若しくは予め買い取り価格を設定して、その期限までに売却できなければ業者買い取りとなります。相場の7割前後が買い取り価格となる場合が多いので、ゆっくり売れば良い値段で売れるのに、泣く泣く不満足な値段に承諾せざるを得ない結果となってしまいます。
その場合、予測より減額となった分が次の家のローンに上乗せになるわけです。辛いですね。
短期間でもある程度の売却期間があれば、今すぐに売れる価格設定をするわけですが、それでも決まれば、業者買い取り価格よりは間違いなく高いので念願の新居への道が開けるわけです。購入者も良く調べていて、相場より安いとわかれば極端な場合は問い合わせの電話が鳴り止まない、そんなこともあります。
このような場合に相場よりも安い価格で売り出されるわけです。
不動産業者泣かせの例として、購入予定の家の売主も買い替えの為の売却であった場合は、もう大変です。2つの家を売らなければ全ての取引ができないので売主、買主のスケジュールを合わせなければならず、1つのミスも許されないような状況になります。
高く売りたいのであれば、売却先行とすることが理想ですが、そうなるとまた問題があり、今度は売却した持ち家の引渡し期限までに、次の家を見つけ出さなければならなくなります。当然売主は自らの家の成約前に、物件見学をしてある程度の目星をつけ、売却が決まれば目星をつけた家を申し込むわけですが、その前にその物件が売約済みとなってしまうと目も充てられません。
人は欲しいと思った家よりランクを落とすことは難しく、特に家の購入は一生に何度とない高い買い物ですので、時間が無いから妥協して、この家でいいやというわけにはいきません。少なくとも目星をつけた家の同等以上を求めます。
その場合は一度賃貸物件等に引っ越して再スタートをするのですが、自らの家の引渡し→賃貸への引越し→休日の度に家探し→新居への引越し、と短期間に2度も引越しをしなければならなく大変な作業となります。
そうなってくるとお客様もだんだんと疲れてきてしまい、僕はよく言いました。例えば要した時間が3ヶ月だとすれば、「一生のうちの3ヶ月だと思いましょう。」これは自分への言い聞かせでも有り、お客様も大変ですが不動産業者も最も大変な作業のうちの一つです。
全てが終了すると、お客様も私共もやりきった感の満足度は高いものでした。
話が長くなりましたが、今回紹介するRICHMOND PALACEはまさにそんな感じで、買い替えということは無いと思いますが、破格の安さを感じます。スクムビット43の日本人居住区で平米単価約56,000バーツです。内容の悪い部屋であれば、このあたりの価格はありえないことも無いのですが、総改造済みで室内は新築同様です。
まず今回は写真からご覧いただきましょう。しかしどうも写真の腕が悪く、どれだけ綺麗でセンスの良い部屋かがあまり伝わらないと思います。ごめんなさい。
外観
※ 外観
広々キッチン
※ 広々キッチン。さすが143㎡あると日本では見ることの出来ない広さを感じます。
広々リビング
※ 広々リビング。小さいレストランの厨房以上に広いと思います。
新品ソファ
※ 新品ソファ
主寝室
※ 主寝室
ベッドルーム1
※ BEDROOM1
ベッドルーム2
※ BEDROOM2
シャワールーム1
※ シャワールーム1
シャワールーム2
※ シャワールーム2
眺望
※ 眺望
トゥクトゥク
※ トゥクトゥクはソイ43の入り口までの送迎です。
以下も参照ください。小林㈱HPの写真です。
http://www.kobayashi.co.th/PhotoGallery/Sukhumvit/sk1392.htm
小林の写真と比較すると一目瞭然に変化した室内を感じられると思います。
RICHMOND PALACE(リッチモンドパレス)

価格 820万バーツ(日本円2,960万円:3月14日現在)
面積 約143㎡ 3ベッドルーム 2シャワールーム
所在階 20階角部屋
想定賃料  55,000バーツ
利回り  8.04%(表面)
ファシリティ プール、フィットネス、サウナ、スヌーカー、お子様の遊び場
展望

まず以下の記事を参照下さい。
日本の空き家状況③ 最終章
この記事の中に相場よりも高い家賃で貸せた部屋の内容があるのですが、この部屋の改装後のクオリティはまさにその可能性のある内容です。
ということは家賃60,000バーツが十分に視野に入ってくるわけで、その場合利回りは9%に上昇します。
改装(リノベーション)とは、日本では不動産再生という意味合いを兼ねて、特にここ最近は専門業者が増え、相当な勢いでこの市場が伸びていったことを思い出します。古くなったマンションの部屋を新築同様に仕上げ、築年数の経過と共に下落した不動産価値を再度上昇させる。
僕自身もブログ上ではリフォームリノベーションは使い分けていて、リフォームというのは修復という意味合いなので、壁紙の変更や塗装をする、多少の住宅設備の変更、といった内容はリフォームと書いております。
完璧にこの部屋はリノベーションされて生まれ変わりました。上記小林のHPをご覧いただければ分譲当時の状態がわかりますが、この状態で上記価格であればまだ理解できます。それでも安いと思いますが…。
タイのリフォームの相場がまだ良くつかめていませんが、日本であれば1,000万円クラスのイメージと思います。
また当物件ではコーナールームの人気が圧倒的に高く、その理由は風通しがよく、明るく、間取りもよく、眺望も良い等です。正直申し上げて、ここはコーナールームでなければ借り手を見つけることは難しい物件です。
元々は日本人居住率10%前後したが、現在は管理人に確認したところ65%ほどになっているとのことです。
マイナスポイント
① 築年数が1994年です。ただ、ここはあまり気にしなくても良いかもしれません。何よりも価格が安いのと、日本と比較しても人、気のリノベーションマンションは基本的には古いマンションが多く、それでも相当な売れ行きと価格の安定性をもたらせました。ましてや立地がスクムビットソイ43で日本人居住区の中心地で利用駅はプロンポンとなれば、3月にプレオープンするEMPORIUM2等の更なる期待を背景に、更なる価格上昇を見込めます。事実として、駅前を中心に建築中のいくつかのコンドミニアムは、日本的に言うと軒並み億ションとなります。プロンポンは、まだまだ伸びていく日本人人気No1の街なのです。
② バスタブがありません。せっかく綺麗になったシャワールームですが、残念ながらバスタブがありません。しかしシャワーブースは十分な広さを確保しているので、ゆったり浸かれる大きさのバスタブを設置することは可能です。費用はバスタブ設置以外、全ての関連工事で5~6万バーツのようです。あとはどのようなバスタブを設置するかにより価格は千差万別です。
どんどん希少化する3ベッドルーム
最後にバンコクのみならずタイ全土の傾向と申し上げて良いと思いますが、新築物件において圧倒的に3ベッドルーム以上の建築が減っています。仮に3ベッドルームを新築物件にて設定したとしても、現状は坪単価がどんどん上昇していますので、どうしても割高となり軒並み家賃10万バーツ超となっています。そうなるとそれを借りられる日本人は極端に少なくなるわけです。
しかし家族帯同で来られる駐在員ご家族には3ベッドルームは必需品です。よって今後も100㎡以上ある3ベッドルーム物件は高い需要が続いていくと思います。何よりも圧倒的に綺麗な室内を60,000バーツ以内の家賃であれば、賃貸市場で他の物件に負ける可能性は少ないと思います。
また同オーナーが隣の部屋も併せて売り出していて、同様にレベルの高い改装を施しています。ただ面積が163㎡の3ベッドルームとなります。それでも900万バーツですので価格設定は安いですね。

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