日本の住宅ローンを持ちながらタイのコンドに投資する④

第4章 返済比率から見るタイのコンドミニアム投資
さて第4章では実践的な話に入っていきたいと思います。第3章まではここに行き着く前段階であった、とお考えください。ここでは、簡単な計算方法を使って、返済比率25%以内を一つの目安とした無理のないタイコンドミニアム投資に話をつなげていければと思います。
ただ、僕が日本の不動産業界に従事していたのは5年以上前となるので、大きな差はないかと思いますが、その頃の話であるとご理解頂ければ幸いです。
まず、日本の住宅ローンの融資内定までの過程についてお話します。住宅ローンの融資が内定となるか否か、結果を待っている間は、自らの受験の合格発表を待つような気持ちであったのではないでしょうか?
共に一生に何度とないことですので、重い気持ちにもなったことでしょう。
しかし、実は住宅ローンの内定を得るのはさほど難しいものではないのです。過去に支払いの遅延等が数回ある、又は、返済事故等がなければ、書類に不備がない限り数日のうちに内定はおります。
何日も内定がおりないというのは、問題がある場合もありますが、不動産営業マンが多忙な為に手続きの遅れを生じているケースも多々あります。僕にも経験がありますが、揃える書類も多いので、他の仕事に忙殺されている場合遅くなることが多々あります。今の時代はローンの内定がおりないと、相手方が契約を締結してくれない場合も多いので、優先してローンの内定を取ってくれるはずです。
またA銀行で過去1度もしくはカード等の支払いで数度延滞をしてしまった、という理由でローンが否決された場合でも、個人信用情報は昔と違い各銀行間で繋がっておりませんので、他行で申し込んだらすんなり内定が出た、ということは良くあります。あきらめずいくつかトライしてください。
そのあたりはベテラン営業マンであれば熟知していると思います。
ブラックリストとなってしまって、5年間はとても難しい状況となります。
日本の不動産業というのは、ある意味銀行の住宅ローン部門の代理店的役割をしています。約20年前までは銀行の融資課がその窓口となっていましたが、その後、各銀行は住宅ローンセンターを設置し、住宅ローン専門部隊を作りました。
この専門部隊と不動産営業マンはとても強いつながりを持つ事になります。不動産営業マンの押しで、難しいローンを通してくれるセンター員もいます。こうなると強いつながりから絆へと変化します。
センター員は、全てのお客様の手続きの為に、そのお客様の申告内容等と共に、あれこれしかじかの理由でこのお客様に融資することは問題ありません、という文章を作成し銀行内決定機関へ提出します。そこからその決定機関から内定か否決かの決定が下されるわけです。
融資できるか微妙なお客様のケースでは、その作文能力如何で内定結果が左右されてしまいます。つまりセンター員の作文能力が重要になるわけです、出来るセンター員が作成すれば難しいローンも内定が出て、あまりそのあたりに頭を回せない作文能力の低いセンター員に当たった場合、簡単と予想される審査のローンも難しい状況に陥ることがあります。営業マンとしては高額の契約を結んでも、ローンの内定がおりて初めて契約の履行となりますので、それまではとても心配ですし、各金融機関の出来るセンター員との付き合いを広げようともします。
とはいえ、センター員は不動産業者別に担当が定められているので、その担当が出来るセンター員でなければ、おのずとその銀行の利用頻度が減少します。
よって不動産営業マンには、その作文能力が高いスーパーセンター員を見つけることも大切な要素となり、巡り合ったのはいいですが、その後スーパーセンター員が転勤ともなれば溜息が出る状況でした。
不動産営業マンも心得たもので、どこの銀行もローンの種類や金利は大きな差はありませんので、お客様の収入や会社のランク希望ローンの種類等でセンター員の得手不得手な部分も熟知し、お客様の内容に合わせて銀行を使い分けていました。
内諾を得る為の基準となる返済比率は、銀行によって多少異なりますが、その内容は予め各不動産業者に知らされており、それを元に不動産営業マンはお客様の予算を考慮します。よって、よっぽどどうしようもない営業マンが担当にならない限り、その枠内に抑えた物件を紹介してくれますので、否決されることのほうが断然少ないわけです。
ではどのような規定かというと、現状の各銀行のプランを見るとわかるように商品によって異なりますが、多くの方は1%前後での借り入れを選んでいると思います。年収や考え方によって違いますが、僕自身は長期で組んで短期で返済する。先回のブログでも触れた繰り上げ返済に起因するものですが、このようなコンサルティングをしていました。
銀行の審査は、みなし金利といって、実際に融資する1%前後の金利を引き上げて3.5~4.5%あたりで計算し、返済比率は銀行によって異なるものの、35%から40%の枠内に収まれば他に問題がない限り内定となります。高い金利で計算して、将来的に金利が上昇しても支払能力があるかを見極めるのです。この枠に収まれば頭金0円でも問題ありません。
まだ住宅ローン金利4%以上が当たり前であった昭和前後では、頭金は2割必要でした。4,000万円の物件を購入する為に2割にあたる800万円と、諸費用分を合わせて約1,000万円の資金が必要でした。
購入後は借りた額の倍返すといわれていた時代です。頭金を貯める為に身を粉にして働いて、購入後も高い金利のために身を粉にして働く。家を買う為に働いているものだと、よく言われていた時代です。
現在ではそのようなことは耳にしないと思います。
では返済比率を説明します。
返済比率とは年間返済額÷年収
借入額3,000万円として
月々返済額 84,684円
年間返済額 1,016,208円
年収 500万円
返済比率 20.3%
ではこの20,3%は平均返済比率から見るとどのような位置付けになるのでしょうか?これは優秀な数字で、平均値よりも低い数値です。個人差はあるものの、平均値で考慮すれば、とても楽な返済になると思います
僕自身が見てきた住宅を購入するお客様の返済比率数値は25%前後が最も多く、旅行や趣味等にお金を使ってもレベルの高い家を購入し、余裕を持って返済できる数値の目安かと思います。20%以内での購入は、僕の経験では少なかったと思います。
もちろん20%以内で購入すればとても楽な返済と位置付けできますが、その分物件レベル(価格)も落とす必要性が高くなります。自らの予算内で心に残る物件をご覧になってしまった方は、そのレベルを落とすのも至難なことだと思います。
25%以上では売らない、というポリシーを僕自身は持っていました。結果15年近く不動産売買に携わった中で、住宅ローン破綻をしたお客様は1名のみでした。残念ながら、その方の場合、経営していた会社が破綻してしまったのです。
もっとも、年収の高い方はその限りではなく、30%まではお手伝いさせていただきました。
年収に見合わないレベルで30%近いローンを組もうとしているお客様には、物件価格を落とすよう説得しました。概ねこの様なお客様は高額の良い物件を見せられ、頭がそこから離れられない状況となっていました。それを斡旋した営業マンがローンを組めるぎりぎりの高額で見栄えのよい物件を紹介した、新米営業マンがローン計算もまともに出来ないまま営業現場に立たされていた、といった背景があったと思います。
こういう事象が多いために、日本では不動産業者が高いレベルで見られないのだと思います。
少し愚痴ってしまいましたが、購入する側のお客様もまずは住宅ローンの資金計画が重要です。不動産会社に行って、資金計画もしっかりとせずに物件案内を急かす業者は要注意です。
住宅ローンの内定はさほど難しくないという話ですが、これは公務員を含めたサラリーマンに限ったことで、自営業者にはとても厳しいものとなります。返済比率の見方も変わり、頭金は20%以上必要になります。金利もサラリーマンのような低金利では借り入れできません。
何故かというと、住宅ローン破綻者の8割が自営業者なのです。これでは銀行が渋くなってしまうのも致し方ありません。
僕らもお客様が自営業者となると、慎重になったものでした。ローンを組むことが難しいとわかってはいるものの
難しければ難しいほど「何とかしてでも買いたい」という購買意欲が強くなってしまうのも人間心理だと思います。
お客様の気持ちが強ければ強いほど、手を尽くしたあとのローン却下の最後通告は、お客様側の気持ちが痛いほど伝わるので、とても辛いものでした。
そもそも住宅をローンで購入しようとする自営業者の方の場合、会社も順調な方が多いのですが、問題はローン審査に必要な確定申告、決算書となります。多くの方が税金逃れのために収入を抑えてしまっています。年収300万円しか申告していなければ、住宅ローンの借入額は2,000万円以下となります。
まだ300万円出していれば良い方なのです。その他経費も収入として認められる部分もあるので、300万円以上の収入と見られる場合もあります。赤字での申告をしている方、または赤字にならない程度の雀の涙的申告の方は、申告の収入以外に一部経費や減価償却が認められる場合もあります。いずれにせよ300万円以上の申告に頭金2割以上や、申告収入が低くても自己資金が3割以上とかプラス材料があればまた違いましたが、共に少ない方は一般銀行での融資はとても難しいものでした。
僕が従事していた場所は都心近郊ですので、築年数が20年以上進んだマンションしか購入できなくなるのです。
自営業者の方が後悔をする姿も多く見かけました。もっとまじめに申告しておけばよかった、と。自営業者の方が自宅を購入するのに、申告書は直近3年分必要なので、年収を下げている方は3年以上前から準備しなければならないわけです。
しかし自営業者や他行でローンが通らなかったお客様には強い見方がありました。スルガ銀行、関西アーバン銀行等です。
例えばスルガ銀行のホームページを見ると、住宅ローンの金利が2.475 % ~ 5.875 %となっています。実はこの5.875%が曲者なのです。今まで書いてきた条件より審査は大幅に緩やかになり、自営業者の方の2割の頭金もきっちり用意する必要がありません。その交換条件として金利が高くなるわけです。2.475%で通常にローンが組めるお客様が上記銀行を利用することはほぼありませんので、何かしら問題がある方への救済銀行と捉えても良いのではないでしょうか。変動金利が最低である2.475%にしても低いわけではありません。サラリーマンの方であれば、金利優遇において1%前後で借り入れすることが可能だからです。
バブル時前後の頃は住専等高金利の住宅ローン会社もありましたが、そこまでは高くありませんでした。銀行でローンが通らなかった方の次の矢、という意味では似通っているかもしれません。
この商品を多く利用したのは、自営業者だったと思います。
申告も少なく、自己資金割合も少ない方はほぼ5.875%の金利か、またはそれに近い金利での融資内定となります。
そこまでして購入する事を考えるのであれば、タイコンドミニアム投資も一つの選択肢でないかと思います。
現在での一般的住宅ローン金利 1%に対し5,875%がどれほど異なるかというと
例)3,000万円借入 35年ローン
月々支払い 1%  84,685円
5.875% 165,846円  その差 80,801円
年間返済額 1%  1,016,220円
5.875% 1,990,152円 その差 969,612円
総返済額  1%  35,577,700円
5.875% 69,655,320円 その差34,687,620円
総返済額の差を見ると気の遠くなる金額もさることながら
長年続いてきた、1%金利の総返済額は借入額の3000万円に対して
550万円ほどしか金利負担とならないのも驚きですね。
家って欲しくなると、どうしようもなくなってしまうのでしょうね。僕だったら5.875%の金利ではまず買いません。数100万円程度しか借り入れないのであれば問題は無いと思いますが。
しかし一つの発想として、5年間タイコンドミニアムに投資したとします。
購入金額1,000万円の1ベッドルーム(現金)
家賃 30,000バーツ(108,000円)年収1,296,000円 表面利回り 12.96%
5年間収入 6,480,000円
これで新築の利回りです。日本では考えられませんよね。
5年後の売却時
仮にキャピタルゲインが得られなくても、売却時投資した1,000万円が戻る可能性が高く、更に家賃収入が650万円近い。その後で家の購入を始めても遅くはないのではないかと思います。また家賃収入のプラスαにより住宅ローンが通る可能性は確実に上昇します。
既に購入している方も5年で650万円も繰り上げ返済が出来ればかなり大きいのですが、実際は多くの方はその資金を元手に再びタイのコンドミニアム投資により積極的になっています。
話は住宅ローンに戻りますが、以前は勤続3年以上といった条件がありましたが、現在各金融機関は1年未満でも問題ありません。しかし自営業者の場合は原則3年以上の黒字決算が条件です。
例えばサラリーマンであれば転職してまだ勤続1ヶ月。年収と呼べるものはありませんが、元住宅金融公庫の『ふらっと35』では1ヶ月分の給与明細を×12ヶ月して想定年収を割り出してくれます。また前職の給料も考慮してくれますので、色々な面で組みやすいローンとなっています。
前述のスーパーセンター員は、新入社員だろうと勤続半年だろうとローンを出してくれました。
返済比率を25%に抑えることにより、趣味、旅行、学費等様々な他生活費を逼迫させる事はありません。身を粉にして働く必要は、多くの場合ほぼ無いといえるでしょう。あくまでこれは僕が関わらせていただいたお客様の例で、全ての方に当てはまるとは限りません。
夫婦共働き、子供なし、または1人。年収夫婦合算1,000万円以上の場合でも、中にはこの内容で「結構きつい」という方もいたのですが、躊躇なく言わせていただきました「結構贅沢していますね。」と…。
収入が上昇するに応じて、着る服も、食べるものも、買う車もレベルアップしていくでしょうから、高年収と客観的に判断される収入でも足りないと思うのかもしれないですね。
特に夫婦共働きの方はとても強力で、23区域内での購入を考える方であれば1,000万円を越える方も多く、繰上げ返済もかなり楽に出来ていました。強力というのは、現状のみなし金利で考えれば8,000万円近い借入能力があるのです。敢えてここで言いたいのは、繰り上げ返済分やその他貯蓄をタイの不動産投資をしてみればいかがですか?、という事です。上記総返済額を見れば感じられる方もいると思いますが、現在の日本の住宅ローンは金利負担が少ないのです。
このようなことを言わせるのは、住宅を通してたくさんの方の生活に携わらせていただいた僕自身の経験に他なりません。はっきりとデータ取りしたわけではありませんが、僕のお客様では返済比率が23~25%前後の方が多くを占め、皆様余裕を持った生活を営み、数年後買い替えの相談に来る方も多かったからです。
ステップアップする際も生活レベルを落とさない為、やはり返済比率25%で住宅ローンを組む方が殆どでした。ただその頃には貯蓄も増え、年収も上昇していてより余裕が生じている可能性が高いわけです。
それもそのはずで、この数字であれば余裕を持った支払い、そして内容の良い家の購入の共に実現できたからです。
僕のコンサルティング方法として、返済比率25%を収入に見合わない形で超える方には、25%以内に引き戻し20%以内で物件を紹介していました。逆に20%以内で購入を考えている収入に余裕のある方には、25%以内にして家の内容を引き上げていたので、必然的にこの数字が多くなるわけです。
そして25%前後以内のケースは、大きな苦労なく買い替えもしている方が多いので、次のステップ、タイコンドミニアム投資の提案をしたいと思います。
再三タイのコンドミニアムの投資の提案をしてきましたが、もう既にその魅力を知っている方はかなりの利益を上げている状況です。しかしマレーシアのようにしっかりと旗を揚げてそれを日本に告知していく業者自体が今までは少なかった中、タイのコンドミニアム事情を知らない方が未だ多いのだと認識しています。そして年間3,000件以上の賃貸顧客を取り扱うヨシダ不動産が旗印になれれば、と思っています。
このタイのコンドミニアム投資事情を知りたい方は、いつでもお問い合わせください。
人生を楽しんで、住宅ローンも返す。その上でタイコンドミニアム投資を考慮してみては如何でしょうか?
次回第5章では、タイコンドミニアム購入の際の資金の話をしたいと思います。現金購入に越したことはありません。ローンを組むのであればわずかな金額に抑えるべきです。日本で住宅ローンを組みながらタイコンドミニアム投資をする。そしてキャピタル、インカムゲインの両方を獲得する。
既にタイのコンドミニアム投資の内容、面白味を知っている方、既に購入してしまった方や、どう現金を工面しようかと思っている方‥等、様々なケースがあると思います。知っていらっしゃる方であれば、何故キャピタル、インカムゲイン取得できるか理解しています。
しかし全ての投資にいえることですが、余裕を持った資金で行うべきだと思いますし、リスクヘッジもしっかりと認識しておくことだと思います。
その当たりお話させていただければと思います。
シラチャ支店の現在

シラチャ支店長よりメールが来ました。1階から4階までのクーラーが設置されたようです。今までクーラーのないところで仕事をしていた支店長、元ラガーマンの大きな体なのですが、心なしか痩せたように思えました。

※ 店舗風景

※ 店舗内部

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