日本の住宅ローンを持ちながらタイのコンドに投資する①

第1章 タイと日本の住宅ローン事情比較
今回より数回に分けて、現在日本国内で若年層から不動産投資熱が高まっている現状と、その背景から賢い投資術、及び返済比率を考慮した無理のないタイコンド購入計画までお話させていただければと思います。
前回のブログでシラチャコンドミニアムの視察の話をしました。例えば関東であれば、僕がよく行った海は、三浦海岸、由比ガ浜、葉山の長者ヶ崎…。千葉で言えば九十九里周辺に出没していました。
海のある町に着くと独特の雰囲気や塩の臭いで心が高揚するのですが、何故かシラチャにはあまりそれを感じません。街中はいたってよくあるタイの街の雰囲気となっており、海が見える場所や海沿いの公園辺りに行ってはじめて「海だー」と心躍る僕でした。
海沿いに行けば、海の上に立つシーフードレストラン等があり、漁師町の雰囲気が色濃く感じられます。当然当地のシーフードの美味しさは有名です
残念ながらシラチャに砂浜はありません。シラチャにもパタヤにもその全体数に比して海沿いに建つコンドミニアムは少ない(希少性が高い)、ということをヨシダ不動産代表の吉田より教えられたものの、僕個人の想像としてはもっとたくさんあるのかと思っていました。
そのような状況の中、まもなくシラチャの海沿いに建つコンドミニアム物件を当ブログにて発表できると思います。
さて今回は、タイの住宅ローン事情についてお話したいと思います。利用する銀行は、外国人の場合UOB(United Overseas Bank) が参考になると思います。

※ タイでは良く見る看板
UOB(ユナイテッドオーバーシーズバンク)とは、シンガポールを拠点とする銀行で、世界17カ国に展開しております。
重要な住宅ローン一般金利は約6%(場合によっては異なることもあります。)
1%を切る商品もある日本の金利から比較するとびっくりする高さですね。
また、当初3年間、5年間は安く支払えるといったような、以前の住宅金融公庫のステップ払いと同様の商品が当たり前のようにあります。
ステップ払いといえば、嫌な思い出を持っている方も多いのではないでしょうか?最初の5年間は確かに安い。しかしそれ以降は倍近い金額を払い続けるわけで、住宅ローン破綻者が相次ぎましたね。
現状UOBが中心となるのですが、今後TOBにより東京三菱銀行の連結子会社となったアユタヤ銀行グループも日本人向け住宅ローンを取り組んでいくこととなっているので、不動産投資の追い風となっていくのではないでしょうか?

※アユタヤ銀行
現在まだ詳細は把握していないのですが、弊社も近々にアユタヤ銀行と話し合いの時間を持つ予定です。
タイ人はコンドミニアム購入意欲がとても高い。
スクンビット近くで言えばBTSオンヌット駅から4駅先のベーリン駅周辺、そしてその先の延伸区間の駅周辺。又、チャオプラヤ川の向こう岸にあたるトンブリ地区周辺においても、大型ショッピングモールを併設した集合住宅の大規模開発が進んでいますが、このあたりは日本人には馴染みの薄い地域です。そしてこちらもBTS延伸区間を中心に相当数が着々と売れているようです。
また、チャオプラヤ川沿いのミレニアムヒルトンホテルの隣地に高島屋が進出するようです。しかしこの地区の立地では、苦戦を強いられるのではないか、という話も耳にします。ターゲットにもよるでしょうが、日本人がほとんど住まない地域です。

※ ついに進出

※ 高島屋バンコク店
コンドミニアム購入に当たっては住宅ローンを利用するタイ人が多いようですが、タイ人はステップ払いに近い形でローンを組んでいる方が多いので、今後支払いが厳しくなってくるケースも多くなるのではないでしょうか?
日本人で上記金利を負担して借りたいと思う方は少ないでしょうし、僕自身もお勧めしません。
しかし、欲しい物件が予算より100万、200万バーツ高いという場合、不足分にローン利用しても良いのではないかと思いますが、早めに繰り上げ返済を計画された方が賢明と思います。この金額であれば、繰り上げ返済もあまり難しくないかと思います。
また現状では日本のように頭金0円というわけにはいきません。3割前後が必要です。
僕自身日本で不動産売買の営業をしているときも、日本では金利が安いので、仮に購入者が十分な自己資金を持っていても、返済比率(年間返済額÷年収)が低い方には自己資金を少なくする提案もしました。
確かに自己資金を多く入れることにより返済額は減るので、どう考えても多く投入したほうが得だと思うのですが、数100万円程度増やした程度の借り入れであれば、低金利の影響下大きな差は感じられません。今は昔と違い、不動産を購入する為に色々なことを犠牲にする時代ではありません。よく言われていた借り入れた額の倍を返すような金利も存在せず、頻繁に買い替えも行われるのが今のトレンドです。
これは低金利の時代だから成せることでしょう。遊びや旅行それぞれの趣味等で人生を満喫しながら住宅ローンの返済をすることが可能なわけです。
ということで、自己資金を入れすぎず余剰資金を通帳に残すことにより心の平安を保てますよ、というアドバイスをよくしました。手持ち預金が少なくなれば、人間ギスギスしていくものではないでしょうか?
数年後に経済情勢の変化で金利が上昇したような際には、その十分な預金を繰り上げ返済に充てては如何ですか?という趣旨でした。
後述しますが、現在の日本の低金利であれば、日本で家を購入し、タイで投資物件を購入することも十分に可能です。

繰り上げ返済のメリットとは?

住宅を購入し、決済が終わったあとに銀行から送られてくる返済表。それまでのウキウキ気分が吹っ飛ぶような35年分の返済明細が記載されています。35年、気が遠くなるような年月…。
どなたも空想しませんでしたか?例えば購入時30歳、完済時65歳????? 30歳の時の自分は、65歳の自分を想像すら出来ないと思います。まさに気分が滅入る瞬間です。
しかしこれも考え方で、仮にそれが嫌で住宅を購入しなかったとしても、親から譲り受けた家でもない限り、賃貸住宅に住んでいれば一生家賃を支払わねばなりません。終身住宅ローンということですね。そう考えれば少しは気分も安らぐのでは?
繰り上げ返済の最大メリットの一つとしては、返済した分だけ元金が減るということです。3,000万円のローン残高で300万円返済すれば、新たに届く返済表の元金は2,700万円になりますので、当然金利負担は軽減するわけですね。
また賃貸住宅に住むこととの大きな違いは、賢く購入することにより10年間タダで住むことも可能です。
僕が良く勧めていた物件は、新築落ちの築浅マンションや一戸建てです。

築2、3年の物件として、マンションは良く売りに出るのですが、一戸建ては殆ど売りに出ません。
何故その物件をお勧めしたかというと、日本の場合新築マンションの多くは引越し後中古物件となるわけで、その際に大きく価格が下落します。5~800万円くらいの下落幅は珍しくなく、中には1,000万円前後下落する物件もあります。
一戸建ての下落値はその限りではありませんが、東京23 区域での築浅売却物件はあまり多くありません。
そのからくりは?
これも低金利時代だからこそ起きる現象ではないかと思います。仮に4,000万円で新築マンションを購入したとしましょう。引越し後中古となった時点で2~300万円くらいは下落するというのが多くのお客様の予想でしたが、実際はそうではありません。
仮に同じ地区で新築が4,000万円。築1年の物件が3,700万円だとしたら、貴方ならどちらを購入しますか?35年ローンで組めば月々約1,000円の支払いの差しかありません。結果、多くの方が新築物件を選んでしまいます。新築物件と中古物件の価格差を相当額(6~800万円ほど)つけなければ、中古物件を購入する方がほぼいなかったわけです。
しかし、そこからが築浅物件の面白みです。

一度新築後価格が下落してからは、10年以上価格はほぼ横ばい状態なのです。立地の良い人気物件等は20年以上横ばいという物件もあります。
その下落したところで購入することが、10年間無料で住める方法なのです。
オリンピック特需を前に売却こそしてしまいましたが(ちょっと後悔)、僕の持っていたマンションを最近調べましたが、購入したのが約20年近く前にも関わらず、現在もほぼ同様の価格で推移しています。
これは駅近物件よりも強い駅前物件だからです。
話は戻りますが築浅物件を10年後に売り出しとしてほぼ購入時と変化のない金額。仮に200万円だけ下落したとしましょう。10年間200万円で住んだ、という計算になりますね。賃料として換算すると、東京23区内3LDK、10年間で支払い総額200万円。月当たりの家賃は約16,700円の計算です。
勿論、そんな低家賃の3LDKは都内では存在しません。
もし購入時と同価格で売却できたとして、細かい経費を含まないで考えれば、無料で10年間住んだことになります。
賃貸家賃は支払い続けるだけで、手元には何も残りません。
僕の場合は、ほぼ20年間無料で住んだことになります
現状の日本では、マンション価格が一部を除いては上昇するという例はほぼありません。この低金利時代に築浅で価格の下落した物件の購入は大きな魅力の一つと思います。
現状の金利では、賃貸住宅を借りる程度の感覚で不動産を購入出来るのです。その証拠として20歳代で自宅を購入する方が増えてきています。親からの相続や援助なしに住宅ローンを利用した最年少の僕のお客様は23歳の夫婦でした。しっかりとそれまで計画をして、数百万円の頭金も用意していました。
といっても、上記内容は東京23区域(近郊含む)の話です。
もう少し郊外のベッドタウンになると、一戸建ての築浅物件が多く売りに出ます。リーマンショック後に大きな明暗を分けた部分となります。
暗の部分も捉えていくと良いと思いますので、今後自宅購入や不動産投資を考えている方の為に、次回第2章では難儀であったベッドタウンからの買い替え事情を書かせていただきます。
不動産の購入において、将来価格相場がどのように変動するかがわかれば誰しもが失敗しない購入につながりますが、中々そうはいきません。
マイナス要素の多い話とはなりますが、早期の繰上げ返済や不動産投資との連動において回避できる方法もあります。また、一生購入した物件に住むのであれば、不動産価格が上下しようがたいした意味はないものの、将来買い替え等のステップアップを望まれる方には少しはためになる話かなと思います。

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