RHYTHM SUKHUMVIT 42(その3)

モデルルーム(2) -  2ベッド2バス80平米

正確に言うと2ベッドルーム2バスルームです。つまり、日本的な表記の2LDKのユニットに2つバスルームを備えた間取りとなっています。
タイを始めとした東南アジア全域では、複数のバスルームを備えているのは一般的です。「バスルームなどとかっこつけないで浴室と呼べ」と言われそうですが、浴室内に洗面所とトイレを備えるのがスタンダードとなっており、日本スタイルの純然たる浴室とは異なっている為、誤解を避ける為にもバスルームと記述しています。日本のマンションとは違う、現地物件の特殊事情をご理解願います。
複数のバスルームをもつ理由
その複数のバスルームですが、欧米スタイルの影響に寄るものと推測されますが(他地域には疎いので悪しからず!)、1ベッド1バス、2ベッド2バス、3ベッド3バスというのがごく普通で、2ベッド3バスや3ベッド4バス等といったユニットも珍しくありません。これは、マスターベッドルーム(主寝室)には専用のバスルーム(マスターバスルーム)が必須、といったライフスタイルの信念めいた根強い習慣が横たわっているからです。この専用のバスルームは主寝室からのみのアクセスとなっている為、夫婦専用となっています。訪問客が使うという事はまずありませんし、他の家族が使う事もあまりないと思います。そこら辺に我々大和民族とのプライバシーに対する大きな概念の違いを感じるのは私だけでは無いでしょう。
2ベッド2バスの場合は、マスターベッドルームとマスターバスルームの関係は変わりませんが、2つ目のバスルーム(セカンドバスルーム)に2つドアを設け、第2寝室(セカンドバスルーム)と廊下(又はホール)からのマルチアクセスしている場合と、廊下からのアクセスのみにしている場合のどちらかになっています。
そんな浴室ばかりあったらお風呂代が大変では?と思う方がいらっしゃっても不思議ではないでしょう。日本では、給湯がセントラルシステムになっている集合住宅が一般的で、夜間の安価な電力を使ってタンクにお湯をためる「エコ○○」でオール電化完備なども最近のマンションのトレンドとなっていますから、その疑問もごもっともです。一つ思い出して下さい。ここは常夏のタイランド。熱いお風呂に入るといった習慣はありません。バスタブは付いていても、シャワーでさっとすませてしまう人が大半です。
又、マスターバスルームにバスタブがあっても、2つ目や3つ目のバスルームはシャワーのみとなっているケースの方がより一般的です。そしてその給湯システムですが、従来日本で良く見た“電気式瞬間湯沸かし器”がキッチン、各バスルームに取り付けられているのがほとんどです。この湯沸かし器はホームセンターに行けば1~2万円で販売されているレベルのものですので、幾つ取り付けても日本のセントラル給湯システムより安上がりです。又、水からお湯になるまでの待ち時間も短くて済みます。故障してもこの値段なら怖くありません。大丈夫なの?といった心配も杞憂です。常夏の国ではこれで十分です。
まあ、この複数のバスルームといった間取りで確実に言えるデメリットは、その分他の部屋が狭くなる点で、コンドミニアムのダウンサイズ化の激しいタイにおいても、今後見直しが図られる潜在性はありそうですが、現況ではこの慣習に謀反を起こすプロジェクトは見受けません。
収納スペースとキッチンまわり
バスルームのエピソードが長くなり過ぎました。でも正確なご理解を頂けたものと思います。さて、お部屋の説明です。覚えていますか?先述したタイのコンドミニアムの法則、「玄関入れば即キッチン。」この2ベッドルームのお部屋も例外ではありません。但し、このユニットには、入ると直ぐ右手に大きな収納スペースがあり、引き戸を開けるとドラム式(前扉式)の洗濯機が収納されています。余裕のスペースとなっているので、皆様の靴コレクションは勿論の事、スーツケースやらゴルフバッグも収まりそうです。一般的に収納面が貧弱なタイのコンドミニアムにおいて、これはハイスコアを獲得しています。そしてそこにキッチンが繋がっていき、その対面つまり玄関左側は美しいダイニング。インテリアコーディネーターに拍手です。非常に高品位でエレガントな飾り付けが為されています。でも、椅子とテーブル以外は付いてきません。ごめんね。
 
2ベッドルームなので、ダイニングチェアーは4脚付いています。これは当然として、残念なのは、クッキングコンロが2口しか無い事です。これは、痛い失点です。2ベッドルーム-4人用のダイニングに2口では役不足です。アンバランスです。納得が行きません。これは、キッチントップの狭さが要因となっているようです。皿洗いラック、トースターもしくは炊飯器等を置き、更に4口コンロを置いてしまうと、調理時にまな板を据えるスペースが消失します。かと言って、キッチンアイランドを置くほどの余裕もありません。設計者にとって仕方なき妥協がそこにはあったのでしょう。
 
このお部屋の真骨頂は、玄関に入り眼前に広がる、キッチン&ダイニングからリビングそしてバルコニーにつながるお部屋の広いスパン、と断言していいでしょう。その広さこそが、エレガントな家具・インテリアと相まって快適な居住空間を強く印象付けています。そのスパン、5メートルほどあると目測しますが、80平米のユニットでぎりぎりまで大きくリビングスペースをとったこの大胆な間取りこそが、この部屋を非凡にそして秀逸に仕上げているものと感じます。
ベッドルーム、バスルーム
 
 
その一方で主寝室と言えば、広いリビングの影響はさほど受けていないようです。美しい眺望が広がるであろう窓際(特に高層階では)にはお洒落なビルトインのベンチを設け、キングサイズベッドも余裕とは言えないもののすっきりと収まっています。ビルトインのワードローブも申し分のないサイズです。
そしてマスターバスルームですが、こちらも又素晴らしい。バスタブは大ぶりの窓際に据え付けられており、泡一杯のバスにゆったりとつかり、片手にはシャンペングラス、そしてバンコクのパノラミックな夜景が眼下に広がる、そんな映画のような1シーンを想像させてくれます。バスタブの他に専用のガラス張りシャワーブースも備えます。シャワーは大きなレインシャワーとハンドシャワーを切り替えられるハイブリッド方式。今日は、シャンプーはパス、といった方に便利この上ありません。
第2寝室は、それなりに手狭ですが、クイーンサイズベッドが入っていますので、十分な広さと言えます。又、リビングを優先して第2寝室はぎりぎりのサイズとするコンセプトに僕は賛成です。特に日本人のライフスタイルにはその方がより合っているものと思います。第2バスルームはシャワーのみでバスタブはありません。第2寝室とホールからのマルチアクセス式です。
マスターバスルームを含めて全てのお部屋に大きな窓、すなわち開口部があるという事は、このユニットは角部屋を意味しています。更にポイントアップですね。
総括、そして読者の皆様への問いかけ
うっとりするほど良くできたユニットです。価格は14,000,000バーツ(14ミリオンバーツ)から。結構しますね。気分的には1ベッドよりこちらの2ベッドの方に上質感があり、「どうしても欲しい!」と言った抗いがたい激情を覚えますが、頭を冷やして投資の側面を見ると、一体どのようにその風景は変化するのでしょうか?
次回はそこら辺の考えをほじくり返していきたいと思います。本日は長文となりました。美しいお部屋の写真で疲労を癒してね!

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